株式会社AWARDの渡邉です。
9月7、8日で香港へといって来ました。今回は、
アジアの誇る金融センター香港
としてコラムを書かせていただきます。
1.世界の文化の融合する都市
香港の魅力の一つは、異なる文化の交差点としての役割です。この都市の歴史をひもとくと、英国による統治の時代について触れないわけにはいきません。
英国は1841~1941年と1945~1997年の2度にわたって香港を150年以上統治し、1997年に中国に返還しました。この長きに渡る英国による統治の時代から、中国への返還を経て現在に至るまで、多様な文化の影響を受けてきたのが香港の魅力の大きな部分を形作っています。
街角でのアフタヌーンティーの風景や、中華料理の匂いが混ざり合い、東と西が同時に楽しめる場所になっています。
2.金融センターとしての地位
しかし、香港の魅力は文化だけではありません。自由な金融政策、低率な税制などにより、世界金融の都市として、戦略的にその地位を確立してきました。
グローバル金融センターインデックス(GFCI)が2023年3月に公表したデータによると、香港は世界で4位の金融センターとしてランクインしていました。これは、アジアの中ではシンガポールに次ぐ数字です。
一方で、日本の首都、東京は21位という結果となりました。東京との差からも、香港が金融の面でどれだけの重要性を持っているかが伺えるのではないでしょうか。
3.香港の抱える課題
しかし、そんな香港も課題を抱えています。
例えば現在の香港は少子高齢化の問題に直面しています。高齢者の増加と同時に、若い世代が少なくなるこの問題は、経済の活性化や労働力の確保という面での課題を生んでいます。香港の合計特殊出生率は、0.87。これは日本をも下回る数字です。
また平均年齢も44歳を超えてきており、48歳を超えている日本と同様に世代の分布が高齢者に寄ってきているのが分かります。
比較的近く、文化的にも日本と共通する部分を持つ香港ですが、少子高齢化の点では日本と同じ課題を抱えていると言えますね。
さらに、中国の支配が強まったことによる影響も無視できません。この変化が原因で、多くの香港の人々や専門家たちが他国へと移住する動きが見られるようになっています。実際に長らく右肩上がりに増えていた香港の人口は2020年、2021年、2022年と3年連続で前年を下回りました。ただし、2023年は現在までに人口の流入が流出を上回っており、大幅な人口増になる見込みとのことです。
中国の影響を懸念する声もありますが、情勢は落ち着いてきていると言えるのではないでしょうか。
4.まとめ
香港は、東と西の文化が融合する魅力的な都市であり、アジア、そして世界の金融センターとしての地位を築き上げてきました。
しかし、少子高齢化や人材の流出などの課題も見逃せません。これからの香港がどのような方向に進むのか、その動きは見ていきたいところです。
世界トップクラスの金融センターとして、香港がこれからもその魅力を放ち続けることを願います。