株式会社AWARDの渡邉です。
夏の金融関連イベントとして、
ジャクソンホール会議
があります。こちらの会議を無事に通過したので、今回はそのことについて取り上げたいと思います。
1.ジャクソンホール会議とは
ジャクソンホール会議は、毎年夏に米国のワイオミング州ジャクソンホールで開催される、中央銀行家や経済学者たちが集まる会議です。
テーマは毎年異なり、世界経済や金融政策、インフレ、雇用など、様々なトピックが取り上げられます。
ジャクソンホール会議は、その影響力や参加者の質から、経済や金融の分野で非常に注目されるイベントです。特にアメリカ連邦準備制度(FRB)の議長や他の主要な中央銀行の代表が発言する場合、その内容は世界中の金融市場に影響を与えることがしばしばあります。
2.FRBのパウエル議長の発言
今回も注目を集めたのは、パウエル議長の発言でした。利上げの継続に関して、難しい判断を迫られているパウエル議長ですが、下記のような内容を発言しています。
・インフレ率が3%台になったこと踏まえると、利上げの効果は出たが、まだ目標とする2%までは長い道のりになる
・9月のFOMCでの追加利上げ、可能性を排除せず
今年に入ってからのFRBは利上げのスピードを緩め、一時期は利上げを停止もしました。しかし、7月には再度利上げを再開し、現在の政策金利は5.5%となっています。
一時期米国のインフレ率は前年比+9.1%までいきましたが、7月のインフレ率は前年比+3.2%まで落ち着いてきています。インフレ率の動向次第で、今後も利上げをする姿勢は変わらず、ということになります。
3.ジャクソンホール会議通過で安心感
このジャクソンホール会議を終えたことで、市場では一定の安心感が広がっています。パウエル議長の発言内容は以前からの姿勢と変わらず、極端なメッセージの発信はなかったためです。
ドル円の為替は若干ドル高に振れ、現在は1ドル=146.63円になっています。
NYダウ、S&P500、NASDAQの3指数は、それぞれ若干上昇しています。ジャクソンホール会議を通過したことで、また相場が動き出す形になりそうです。
4.まとめ
夏の大きな金融イベントであるジャクソンホール会議を通過しました。パウエル議長の発言は従来と変わらず、市場では安心感が広がっています。
なお、会議には日銀の植田総裁も参加しており、CNBCのトップ画面では、会議の合間に植田総裁、ECBのラガルド総裁、FRBのパウエル議長の3人が話をしている画像が使われています。
植田総裁も含め、金融市場を上手に導いていただきたいですね。