TSMCの求人について

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株式会社AWARDの渡邉です。

TSMCの求人

が話題になっています。日本に対して1兆円以上の投資を行い、半導体の工場を建設していくというTSMC。そんなTSMCが日本でかなり好待遇での求人をしているようです。

1.TSMCとは


TSMCは世界トップクラスの半導体メーカーとなります。

正式には『Taiwan Semiconductor Manufacturing Company:台湾積体電路製造』であり、こちらの頭文字を取ってTSMCと言われることが多いです。

半導体の製造において世界シェアの過半を占めており、半導体の価格決定権を持つといわれるほど有力な企業です。Appleとの強固な取引関係などでも知られています。

時価総額は日本円にして60兆円を超えており、日本最大の企業であるトヨタを超える規模となっています。

2.TSMCによる九州への投資


このTSMCが、現在熊本にて巨額の投資を行い、半導体の製造工場を作っています。

総投資額は1兆円以上で、最初に建設している工場では2024年末から製造が開始されるとのことです。日本政府も巨額の補助金を出すことでTSMCの投資を日本へと呼び込んだ格好になっています。また、日本企業も関わっており、実際に日本で事業をしていくのはTSMCとソニー、デンソーとの合弁会社となります。

2024年末に稼働予定の工場では1,700人の従業員さんが必要とのことで、300人を台湾のTSMC、200人余りをソニーからの出向で賄い、残りの7割を新卒・中途採用、アウトソーシング等で募集しています。

それ以降に稼働する工場もすでに決定されているとのことなので、最終的にはかなりの数の雇用を生むことになるでしょう。

3.TSMCの求人の条件


さて、こうした日本での雇用はどのような条件で行われているのでしょうか。

募集条件は経験に応じて変動するとのことですが、600万円~1200万円と、熊本県内ではかなり好待遇となっています。また、大卒の初任給は28万円で求人が出されています。これは熊本県内の製造業よりも7万円ほど、率にして30%以上高い水準です。

また内容は十分に確認できなかったのですが、時給3,000円で食堂等で働くような半導体の専門職以外の求人が出ていた、といったこともSNSで話題になっていました。

ちなみに、台湾現地のTSMCの給与は、2020年時点で239.2万台湾ドル、日本円にして1070万円ほど、というデータがありました。ちなみに最新のデータでいうと、さらに給与は伸びているとの話もあります。

日本は昔は人件費が高い国でしたが、現在は世界基準で見ると決して人件費が高い国ではなくなってきています。海外の企業が日本に進出することで、日本の給与の底上げに寄与することもあるかもしれないですね。

4.まとめ


世界的な企業であるTSMC。巨額の投資を行うのとともに、好待遇での求人を日本で出してくれています。台湾での水準と比べても悪くない待遇での募集となっていますし、九州の現在の給与水準からすると破格とも言えるような待遇が提示されていると言えます。

日本では給与水準がなかなか上がらない状態が続いていますが、海外からの企業進出がこうした状況に影響を与えていくことは起こるかもしれませんね。人口も減り人材確保が難しくなっていく時代ですから、競争が適切に行われることは望ましいことなのではと思います。


執筆者:渡邉亮

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