株式会社AWARDの渡邉です。
米国債務上限問題
が近頃話題になっています。世界一の経済力を持つ米国で一体なにが起きているのでしょうか。
1.債務上限問題とは
2.過去10年で債務上限に達した際は
3.今後の行方
といった流れでご紹介させていただきます。
1.債務上限問題とは
日本は借金大国であると言われることがありますが、実は政府の借金の額でいえば、米国も負けていません。
日本政府の借金は1000兆円超ですが、米国政府の借金は31兆ドルと日本円換算だと4000兆円以上になります。つまり米国政府を借入を起こしながら様々な政策を実施しているということになります。
ここまで借入が大きくなると、いくら借金をしようが関係ないように思われますが、米国では財政の規律について二大政党である共和党と民主党が監視し合っているというな関係にあり、債務の上限額が決まっています。このままだと現在定められている債務上限へ来月の6月1日にも達してしまいそう、というのが今起こっている問題となります。
議会で合意されれれば、債務上限は引き上げることができるのですが、現在米国では上院は民主党、下院は共和党というねじれ議会となっています。そのため、債務上限の引き上げの合意ができない状態になっています。
2.過去10年で債務上限に達した際は
過去にも債務上限問題は何度も起きています。
2011年には債務上限に関する与野党間の交渉がもつれた結果、米国債の格下げにつながりました。
2013年には2014年度の暫定予算が期限までに成立せず、一部の政府機能が麻痺するという事態に陥りました。80万人の仕事がストップし、ニューヨークでは自由の女神が閉鎖されたことが話題になりました。観光客にも影響が出た形ですね。
2019年にもトランプ政権下で債務上限問題は起きています。
ちなみに民主党は大きい政府を掲げ、共和党は小さい政府を掲げるというのが基本ですが、債務上限問題に関してはどちらが政権を運営しているかによって賛成反対の立場は入れ替わります。
3.今後の行方
なんだかんだで民主党と共和党が合意して、大きな問題は回避されるというのが市場の見方です。過去にも債務上限問題はそうやってクリアされてきました。
しかし、万が一長期的に債務上限の引き上げに合意ができない、といったことが起きれば、米国だけでなく世界中が大きな混乱に巻き込まれる可能性があります。
合意に向けて両党で調整が行われていますが、今後の流れには注意が必要です。
4.まとめ
米国の債務上限問題は今に始まったことではなく、歴史上何度も繰り返されてきました。問題は起きつつも、毎回クリアはされているので、大きな心配をする必要はないでしょう。
ただし、債務上限に触れずに問題が解決するための期間はさほど残ってはいません。6月1日にも政府のお金が尽きるとされていますので、しばらくは流れを注視していきましょう。