株式会社AWARDの渡邉です。
こちらのコラムをご覧いただいている方は、ほとんどが日本にお住まいかと思います。そんな日本ですが、将来どのような姿になっているか想像はしたことがありますか?
現在は日本は世界で3位の経済大国ですが、2075年には世界で12位までその地位を落とすことになる、というレポートが出てきています。
世界がどのように変化していくか、広い視野で考えてみましょう。
1.世界の人口推移
2.世界の成長を牽引するのは?
3.なぜ日本は低成長が続くのか
といった流れでご紹介させていただきます。
1.世界の人口推移
国連が2022年7月に発表した報告書「世界の人口予測2022」によると、世界人口は今後も伸びが続き、2080年代に104億人でピークをつけ、その水準が2100年まで続くとされています。2022年11月に世界人口は80億人を突破しましたが、ここからさらに人口は増えていくことになります。
一方で日本ではすでに人口は頭打ちになっています。日本の総人口は、2008年の12808万人をピークに、一貫して減少してきています。
経済成長を牽引するのは、人口である、という考え方があります。特に25~64歳の労働年齢人口の割合が高くなると『人口ボーナス』として知られる経済成長の機会が得られると言われています。
こうした人口ボーナスにある国々が、今後の世界経済を牽引していくことになります。
2.世界の成長を牽引するのは?
2075年の世界の経済規模(2021年実質ドルベースのGDP)のTOP3はどのように予想されているかと言うと、
1位:中国(57兆ドル、20年は15.5兆ドル)
2位:インド(52.5兆ドル、同2.8兆ドル)
3位:米国(51.5兆ドル、同21.8兆ドル)
です。ちなみにこの予想は、米投資銀行であるゴールドマン・サックスのレポートにてされています。
現在の米国、中国、日本といった順位からは入れ替わり、中国がTOPになり、インドが躍進することになります。
特にインドの成長は著しく、2075年と2020年の経済規模を比べると18.75倍にもなると予想されています。
一方で日本は現在の3位から、2030年に4位、40年に5位、50年に6位と少しずつ順位を下げ、75年には12位まで後退すると予測されています。
ちなみに2075年までに日本の順位を抜くとされている国々を見ると、インドネシア、ナイジェリア、パキスタン、エジプト、ブラジル、ドイツ、英国、メキシコが挙げられています。
3.なぜ日本は低成長が続くのか
日本の低成長が続く理由としては、
・高齢化の進展
・GDP比率で世界最高水準の公的債務
が主な要因として挙げられています。
まず、消費や労働を牽引する25~64歳の層の数や割合が減り、高齢者の割合が増えているのは経済成長を目指す上で厳しい制約です。
また、日本の国債の発行残高は、経済規模に対する比率で言えば世界最高水準です。政府が多くの債務を負っている状況では、新たな成長を促進するような積極的な政策は打ち出しにくくなります。公的債務も日本にとって経済成長への制約になっています。
こうした低成長を打破するのは、政治や民間企業の力で不可能ではありません。しかし、個人として自分や家族の身を守るためには、大きな流れを読んで世界に目を向けることも大切です。
具体的には成長している国への投資を行うことや、世界に仕事を求めることです。俯瞰的に日本の立ち位置を知った上で、今後の行動を変えていくことが必要かもしれません。