株式会社AWARDの渡邉です。
日本時間の12月14-15日にかけて米国の金融政策を決めるFOMC(連邦公開市場委員会)が行われ、0.50%の利上げが決定されました。
1.年初からの利上げ幅
2.来年の展望
3.市場の反応
といった流れでご紹介させていただきます。
1.年初からの利上げ幅
今年の米国の政策金利は、年初から見ると記録的な上昇となりました。今回の12月のFOMCで0.50%の利上げが行われたことで、
年初:0.00-0.25%
だったのが、
現在:4.25-4.50%
になっています。これだけのスピードで利上げが行われるのは歴史的にもそうないことです。
米ドルでお金を借りるときの金利や、米ドルを銀行などに預け入れた際に得られる金利も、これに合わせて上昇しています。
こうした急激な利上げの効果もあって、課題であったインフレは抑えられつつあります。先日発表された11月の米国のCPI(消費者物価指数)は前年同月比で+7.1%と鈍化しつつあります。
2.来年の展望
インフレ率は鈍化しつつありますが、FOMCメンバーの政策金利の見通しでは、来年も利上げの傾向は続きそうです。
FOMCメンバーによる2023年末の政策金利予想の中央値は、
5.00-5.25%
です。最も低い見通しも4.75-5.00%となっていますので、来年中は現在の金利水準を維持、もしくは小幅な利上げが行われていく可能性が高くなっています。
3.市場の反応は
今回の0.5%の利上げ自体は、市場の事前予想と一致していました。
その一方でFOMCメンバーによる来年末の金利予想は、市場が予想していたものより高い水準でした。市場では、来年の金利予想がややタカ派と受け取められ、一時的に株安が進みました。
今回のFOMCを通過したことで、米国での金融政策を左右する年内の大きなイベント(雇用統計、CPI=消費者物価指数の発表、FOMC)は一通り終わったことになります。
来年以降は、利下げなどについての話題も出てきます。外貨ベースで高い金利水準となっている今は、高い金利を享受できるような金利が固定の商品なども活用できると良いかと思います。
環境の変化に対応した投資を意識していきましょう。