2022年11月第2週、激動の一週間

海外

株式会社AWARDの渡邉です。

先週11月の第2週は、今後も語り継がれることになるであろう激動の1週間となりました。激動というのは株式市場や仮想通貨市場で起こりましたので、あまり感じてない方もいらっしゃるかもしれません。

そこで、先週起こったことを下記流れで簡単にまとめさせていただきました。

1.米国中間選挙

2.米CPIの発表による相場の転換

3.世界最大級の仮想通貨取引所の破綻

一つ一つが今後の世界に大きな影響を与えうる出来事でしたので、把握しておきましょう。

1.米国中間選挙


米国中間選挙については、前回のコラムでも取り上げさせていただきました。11月8日に行われた米国中間選挙では、米国議会の上院の3分の1と下院のすべてが改選されています。

結果としては、

上院:民主党が過半数を確保

下院:共和党が過半数を確保

ということになりました。上院、下院ともに共和党が優勢だとされていましたが、蓋を開けてみたら民主党が善戦した、という結果になっております。

なお、共和党で選挙を主導したトランプ元大統領は、15日に次回の大統領選への出馬表明を行いました。共和党が中間選挙で苦戦したことで、トランプ大統領には逆風が吹いていますが、元々予想されていた通りの出馬表明となっています。

2.米CPIの発表による相場の転換


11月10日に発表された10月の米CPI(消費者物価指数)は市場予想を大きく下回りました。

事前予想は前年同月比+8.0%でしたが、結果は+7.7%となっています。今年の3月以降、長く前年同月比で+8%以上の物価上昇が続いていたので、物価の上昇スピードがピークをつけたことを示唆する結果に市場は大きく反応しました。

世界的にドル安が進んだことで、ドル円の為替レートは2日間で8円もドル安円高になり、1ドル=130円台へと戻してきました。この円高が進むスピードは記録的なもので、1998年の10月以来では最も早いスピードでした。

また、インフレのスピードがピークを示唆したことで、株式市場は大幅に上昇することになりました。今後は業績が重視される相場展開となるでしょう。

3.世界最大級の仮想通貨取引所の破綻


世界最大級の仮想通貨取引所である「FTX」が、11月11日に経営破綻したと発表されました。負債総額は最大約7兆円とのことです。

2019年に創業され、破竹の勢いで成長してきたFTXトレーディング。日本にもFTX JPとして進出してきており、有利の条件の仮想通貨に金利がつくサービスなどを展開していることで有名でした。

経営破綻に追い込まれたのは、世界最大級の仮想通貨取引所であるバイナンスから財務上の問題を指摘され、FTXが発行している仮想通貨を売り込まれたことがきっかけでした。

一時はバイナンスがFTXを買収して救済するという話もありましたが、買収が実現できないほどFTXの財務体質には問題があったようです。海外のFTXのユーザーの資金は、その多くが戻ってこない確率が高そうです。

ただし、日本法人であるFTX JPは日本の厳しい規制の上で成り立っており、顧客資産以上の仮想通貨と法定通貨をコールドウォレットや、信託銀行にて管理していることを発表しています。親会社の破綻ということになるので、今後の取り扱いはどうなるかわかりませんが、きちんと分別管理されていた顧客資産は返還される可能性も十分にありそうです。

この事件を受けて、仮想通貨の価格は暴落。世界最大級の取引所が破綻というこのニュースは、仮想通貨業界に今後も暗い影を落とすことになるでしょう。仮想通貨自体に問題があったわけではないにせよ、仮想通貨の信頼性を著しく損なう事件になりました。

まとめ


1.米国中間選挙

2.米CPIの発表による相場の転換

3.世界最大級の仮想通貨取引所の破綻

1週間でこれだけのことが起こる週はそうそうありません。今回の相場を見れていた方は、今後にも活きる経験を得たのではないでしょうか。

米国の政治の行方、米国のインフレ・金利の行方や企業業績、仮想通貨業界の動向など、一連の出来事がまた今後に繋がっていきます。この3つの出来事については、ぜひしっかりと押さえておくようにしましょう。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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