株式会社AWARDの渡邉です。
11月3日の未明に米国にて金融政策を決定するFOMCが行われました。今回の利上げで4会合連続の利上げとなり、政策金利は3.75-4.00%まで上昇しています。
今後の金融政策の流れを見る上で重要なポイントをまとめて大きたいと思います。
1.利上げと市場の反応は?
2.為替と株式市場
3.利上げの停止や利下げへの転換期について
といった内容について、ご紹介します。
1.利上げと市場の反応は?
今回の利上げ幅は0.75%ということで、市場の予想通りとなりました。とはいえ、元々は異例だった0.75%という大幅な利上げ幅をFOMCにおいて4回連続で決定したことになります。この利上げで米国の政策金利は3.75-4.00%となりました。
また、FOMCの声明では 12月の利上げ幅縮小の可能性に触れられており、若干ドル安円高が進みましたが、その後のパウエル議長の会見を受けて、市場はまたドル高円安となりました。
パウエル議長は会見で、金融引き締めが十分でなければ、1-2年後といった近い将来にインフレを抑制できていないことを実感すると指摘し、かなり先を見ての金融政策が行われていることを感じさせる内容でした。
今後の利上げ幅の縮小や、利上げの停止などが市場から期待されている中で、今まで通りインフレ抑制を優先して利上げを継続する姿勢を示したと言えます。
2.為替と株式市場
ドル円の為替は、FOMCの声明の前が1 ドル=147円前後で、声明を受けて一旦1ドル=145円台まで落ちましたが、現在(2022年11月3日7:00)はすべて戻した上で1ドル=147.8円ほどになっています。
株式はFOMC声明後には一旦上昇するのが観察されましたが、FOMCのパウエル議長の会見を受けて、軒並み下落しています。
NYダウ:-1.55%
S&P500:-2.50%
NASDAQ:-3.36%
と新興市場の方がより大きな影響を受けています。
3.利上げの停止や利下げへの転換期について
パウエル議長が会見で述べたように、現在最優先されているのは『インフレ抑制』です。CPI(消費者物価指数)が明確に落ち着いてくるようなシグナルが出ない限りは、利上げは続いていくのではと考えられます。
ただし、FOMCの声明内で利上げがインフレの抑制に対して効果を表すのにタイムラグがある可能性についても触れられていたので、直近の数字が改善していないとしても利上げペースを緩めることはありそうです。
利上げペースが緩まるのは株式市場にとっては良い傾向ですが、長期的にみるとどこまで利上げして利上げが停止されるか、というのも重要です。
株式市場は高い金利環境に慣れて下落に対する耐性が生まれてきているように見受けられますが、金利の抑制に頼らない好業績の企業が強いマーケット環境は続くのではないでしょうか。
来週には米国の中間選挙という大きなイベントも控えており、株式への投資するには良い環境が整っているように思います。市場の流れを引き続き追っていきます。