株式会社AWARDの渡邉です。
2022年9月20-21日にかけて米国にてFOMC(連邦公開市場委員会)が行われました。こちらは米国の金融政策を決める会議で、FRB(連邦準備制度理事会)の理事や連邦銀行の総裁で構成されています。
このFOMCの結果が日本時間9月22日の午前3時に発表されましたので、その結果についてまとめていきます。
1.3回連続の0.75%利上げ
2.将来の金利見通しは上昇
3.株価は下げ、為替は大きな変化なし
という流れでご案内します。
1.3回連続の0.75%利上げ
今回のFOMCでは、3回連続で0.75%という異例の利上げが行われることが決定されました。米国で続いている記録的なインフレを抑え込む姿勢を改めて打ち出した形です。
0.75%の利上げは6月と7月にも行われましたが、通常の利上げ幅は0.25%ですので、この利上げのスピードは異例のペースと言えます。
政策金利は3.00%から3.25%の幅となり、14年半ぶりの3%超になりました。こうした利上げはインフレを抑え込むのに効果があるとされる反面、景気減速を招く懸念もあります。しかし、FOMCの議長であるパウエル氏は、会見でインフレを抑え込むことに対する強い意志を改めて表明しています。
2.将来の金利見通しは上昇
なお、今回のFOMCでは、参加者による将来の政策金利の見通しを示すドットチャートが発表されました。見通しで選択された金利の中央値を2022年6月に発表されたドットチャートと比較すると、
【2022年6月FOMC時】
2022年末:3.25~3.50%
2023年末:3.50~4.00%
2024年末:3.25~3.50%
【2022年9月FOMC時】
2022年末:4.25~4.50%
2023年末:4.50~4.75%
2024年末:3.75~4.00%
となりました。多くのFOMC参加者が、まだ利上げが必要であり、利上げの期間が以前に考えていたよりも長く続く見通しを立てていることがわかります。
2022年末の予想が4.25~4.50%ですから、あと1.25%の利上げとなります。11月と12月に行われるFOMCで、さらに0.75%、0.50%といった利上げが行われてもなんの不思議もない状況になっています。
3.株価は下げ、為替は大きな変化なし
今回のFOMCでは1.00%の利上げが行われる可能性もあるのではないか、という市場関係者の予想がありました。そこまでの利上げ幅ではなかったため、市場は安心した面もあったようです。
しかし、ドットチャートまで含めると今後も強気な利上げが継続しそうだ、ということで株価はやや下がっています。
前日比で見ると、
NYダウ:-1.70%
S&P500:-1.71%
NASDAQ:-1.79%
となりました。利上げの影響を顕著に受けやすいのは新興企業が多いNASDAQですが、値下がりの幅はNYダウやS&P500と差がなくなってきています。
利上げによって実体経済がダメージを受けるところまで、株式市場では織り込まれてきている、と考えることができそうです。
またドル円の為替を見てみると、FOMCを受け一旦は1ドル=144.70円と145円目前までいきましたが、そこから下落し1ドル=143.39円まで戻し、そこから9月22日の日本時間7:00時点では144円前後で落ち着いています。
今後もドル円の金利差は広がり続けるといった見通しとなっていますが、今回すぐに1ドル=145円の壁を超えるには至りませんでした。
今後の米国の物価推移や経済状況によって、株式市場も為替も動いていくことになりますので、引き続き注意を払っていきましょう。