株式会社AWARDの渡邉です。
昨晩は米国の4月の消費者物価指数(CPI)が発表されました。前年比+8.3%と高止まりしています。
CPIが市場に与えている影響などを見ていきましょう。
消費者物価指数(CPI)とは?
消費者物価指数(Consumer Price Index)とは、米労働省労働統計局が毎月発表する統計で、消費者が購入するモノやサービスなどの物価の動きを把握するための統計指標です。また、国民の生活水準を示す指標のひとつとも言えます。米国のインフレ率を分析するための最重要指標です。
なお、CPIの中でも『コア指数』という指標も合わせて発表されまして、こちらは食品・エネルギー価格が除外されます。今回は+6.2%でした。
また、「前年比」ベースの変化率が発表されるので、2022年4月のCPIが+8.3%ということは、2021年4月に比べて米国の物価が+8.3%になっていることを示しています。
2年前から見てみると
米国のCPIの上昇は、元々はコロナ禍で消費が低迷し、物価が下がっていたから前年同月比の数字が上昇したという側面がありました。しかし、過去の予想よりも物価の上昇スピードが速い状態が続いています。2018年の4月からの毎年の消費者物価指数の上昇率を見てみると、
2018年4月:+2.5%
2019年4月:+2.0%
2020年4月:+0.3%
2021年4月:+4.2%
2022年4月:+8.3%
となっています。コロナショック(コロナ禍での株の大暴落)が2020年3月のことでしたから、物価の上昇スピードがそこで減速して、その後急激に上昇しているのが良くわかりますよね。
2018年4月の物価を100とすると、2022年4月の物価は118~119くらいなっていることになります。身の回りの物の値段が20%上昇したとなると、生活が苦しく感じることは想像に難くありません。
さらなる利上げが意識されている
さて、こうしたCPIを受けて、米国の金融当局は金融引き締めのスピードを早めています。米国の連邦公開市場委員会(FOMC)では2回連続で+0.5%ずつの利上げを決定しており、今後も同様のペースでの利上げを示唆しています。
また+0.75%の利上げを一度に行うといった予想も市場では行われています。これに関しては連邦準備制度理事会(FRB)議長のパウエル氏が積極的な検討を否定していますが、今後の物価の上昇スピード次第では方針が変わる可能性も考えられます。
こうした不確実性から、新興市場の株式や仮想通貨などは特に大きな下落に見舞われています。年初から5月11日まででNASDAQ総合指数は-28.22%、ビットコインは-31.05%となっています。悲観的な相場となっていますが、こういうときこそ投資のタイミングを計るのが有効です。
今週末には弊社で仮想通貨のセミナーも実施予定ですので、ご興味がある方はぜひお越しください。