原油価格高騰

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株式会社AWARDの渡邉です。

原油価格の高騰が市場に大きな影響を及ぼしてきています。わたしたちの身近にあるガソリンなどの価格が上昇するのはもちろんのこと、輸送にかかるコストが上がったり、様々な工場で使われるエネルギー価格に影響することで、原油価格とは一見関係がないような商品の値上げにも繋がります。

1年前と比べると?


原油価格の基準としてよく使われる指標に、WTI原油先物といったものがあります。WTIはウエスト・テキサス・インターミディエートの略で、西テキサス地方で産出される硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油のことを指しています。

こちらのWTI原油先物の1年前の価格を見てみると、

2020年11月20日 40.17ドル

となっていました。一方で現在の価格を見てみると、

2021年11月16日 80.93ドル

となっています。1年間でなんと2倍の価格に上昇していることがわかります。これは新型コロナウイルスの影響から世界が回復してくるにつれて、原油の需要が高まってきたというのが要因の一つとしてありますが、それに加えて大きな影響を及ぼしているのが、産油国の原油の生産調整です。

OPECプラスの動向


石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの産油国でつくる「OPECプラス」は11月4日にオンラインで閣僚級会議を開催しましたが、そこで原油の生産調整計画の現状維持を決めています。

日本や米国などは増産を求めていましたが、産油国側では増産に対して慎重な姿勢を続けています。

コロナ禍で原油先物の価格が一時マイナスにまで落ち込んだのを記憶してらっしゃる方もいるのではないでしょうか。産油国としては再び新型コロナウイルスが感染拡大して原油の需要が落ち込めば、増産が原油価格の低迷を招くというのを意識しているということでしょう。

また、原油の価格が高いというのは結果的に産油国が潤うことにも繋がりますので、現在のバランスが産油国にとっては都合が良い、という面もあるのだと考えられます。

なお、こうした動きに対抗する形で米国では原油の増産が続いています。世界全体では原油価格の上昇は一服したと見る向きもあります。

米国と日本の動き


米国ではガソリンの小売価格と卸売価格の差が広がっているとのことで、バイデン大統領は米連邦取引委員会(FTC)に不正行為が行われていないか調査を求めています。原油価格の高騰に伴い、ガソリンの価格を吊り上げる行為などが行われている、ということを指摘しているのですが、物価の上昇に歯止めをかける一手として考えている節もあります。

一方日本では、ガソリンの平均価格が一定の価格を超えた場合に、石油元売り会社に補助金を出し、ガソリンや灯油などの小売り価格の上昇を抑える緊急の対策を11月19日に決定する方針です。

米国ではガソリンの小売業者等への締め付けを行い、日本では石油の元売り会社に補助金を出す、といった対照的な方針なのが興味深いところですね。

どちらにしても、原油の価格の上昇はしばらくわたしたちの生活に大きな影響を与えます。電気代等への影響もあるでしょうし、引き続きしっかりとチェックをしていきましょう。


執筆者:渡邉亮

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