株式会社AWARDの渡邉です。
2021年8月6日の日本時間21時30分に米国の7月の雇用統計が発表されました。現在米国の金融政策は転換点を迎えつつあります。そんな中で昨日発表された雇用統計の内容がどんな意味を持つのかチェックしておきましょう。
7月雇用統計の予想と結果
8月6日21時半に発表された雇用統計の結果は下記の通りとなります。
《非農業部門雇用者数》
予想:87.0万人増
結果:94.3万人増
《失業率》
予想;5,7%
結果;5,4%
非農業部門の雇用者数の増減値は今年に入ってから最大の94.3万人増となりました。100万人近い人が1ヵ月で職を得たということになりますから、かなり良い数字ですよね。
また失業率は予想値よりも0.3%良い5.4%となりました。コロナの影響が深刻化する前の米国の失業率が3.5%ですから、そこにはまだまだ及びませんが、改善スピードは市場予想よりも早まっているということになります。
結果を受けての変化
こうした結果を受けて市場ではドル高、株高が進みました。雇用統計発表前には1ドル=109.8円ほどでしたが、結果を受けて日本時間8月7日6時時点では1ドル=110.2円ほどになっています。またS&P500、NYダウといった米国の株価指数は過去最高値を更新しました。
米国の景気が良い、ということになればFRB(米連邦準備制度理事会)では利上げやテーパリング(資産購入の縮小)の検討が進んでいくことになります。そのため、
米国の金利が上昇⇒ドル高
ということになるわけですね。株価に関しては利上げの影響を受けやすいグロース株にはマイナス要素になりますが、景気が良ければ株価も上昇しやすいという2つの要素が混ざって結果がでます。実際のところグロース株を多く含むNASDAQは価格を下げています。
今後の注目ポイント
こうした結果を受けて今後の注目のイベントについてご紹介しておきます。
今月の8月26~28日にかけてジャクソンホール会議が行われます。この会議は米国ワイオミング州のジャクソンホールで毎年8月に開催される経済政策シンポジウムになります。世界各国から中央銀行総裁や政治家、学者などが参加し、世界経済や金融政策について議論を交わす場です。
この場にはFRBの議長であるパウエル氏も参加しますが、今後の米国の金融政策の変化について匂わせる発言が出る可能性があります。資産購入の縮小であるテーパリングについての発言が出る可能性もありますので要注目です。
米雇用統計は毎月発表されますが、今後の経済の先行きを占う最重要指標の一つですので、ご自身の資産形成・資産運用に上手く生かしてみていただければと思います。