米国で富裕層の増税
2021.4.23

株式会社AWARDの渡邉です。

米国での富裕層へのキャピタルゼイン税の強化をバイデン政権が提案する見通しというニュースが、米国の大手金融メディアであるブルームバーグより報じられました。

本日は米国の株式に対するキャピタルゲイン税についてご紹介させていただきます。

日本と米国のキャピタルゲイン税


日本の株式の売却益が20.315%の分離課税というのは良く知られているところかと思います。100万円の利益が出たときの税金は20.315万円ということですね。これに対して米国では株式の売却益に対する税金の区分が細かく分けられています。

まず12ヵ月以下の保有で売却した場合は、総合課税となり他の所得と合算して税金が計算されることになります。税率は10~37%+州・地方政府税です。

13ヵ月以上の保有の場合は、3段階となっており、0、15、20%のいずれか+州・地方政府税となります。単身者ですと、40,400ドル以下の利益の場合は税率0%、40,400ドル超の部分には15%、445,850ドル超の部分には20%の税率が適用されます。日本でも所得税の累進課税制度がありますが、米国では株式での売却益も累進課税になっているのです。

今回の提案内容は?


今回の提案内容は所得が100万ドル(約1億800万円)以上の個人に対するキャピタルゲイン税率を現行の20%から39.6%に引き上げるという内容でした。現在は投資収入に対して付加税も課されているため、キャピタルゲインに対する米国の税率は最高で43.4%に達する可能性があります。これは賃金・給与所得に対する課税の最高税率を上回るそうです。

こうした報道が伝わったことで、米国では株式が売られることになりました。まだこの報道は決定ではないのですが、将来的に課税が強化されることを嫌気した投資家が、今のうちに保有している株式の利益確定を行っておこう、と考えたものと思われます。

富裕層への課税は強化


数年前に話題になったトマ・ピケティ氏の書いた21世紀の資本という本でも、世界の格差を是正するための方法として富裕層への課税の強化は挙げられてます。お金を持っている人、投資をしている人がどんどん豊かになっている今の世の中では、キャピタルゲイン税の強化の話がでるのはある意味当たり前のことかな、とも思います。

そして、このようにキャピタルゲイン税が強化されたとしても、投資をしている方がしていないよりも有利な状況には変わりはない、と考えられます。税制だけではなく、投資のルール自体を深く理解して、環境の変化に対応できるようにしておきたいですね。


執筆者:渡邉亮

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