欧州連合発足と今【海外】
2016.6.26

株式会社AWARDの渡邉です。英国のEUからの離脱を受けて、前回は第二次世界大戦以降のヨーロッパ統合の歴史について振り返ってみました。今回は現在のEU(欧州連合)ができるまでの流れをみていきたいと思います。

本格的に現在のEUの形に向かっていったのは、1989年にベルリンの壁が崩壊し、ドイツが再統一を果たしたことが大きなきっかけになっています。ベルリンの壁が崩壊したことにより、東側諸国への共同体拡大のドアも開かれました。そうしてヨーロッパとしての共同体が拡大する中で、1992年に欧州連合条約が署名され翌年である1993年にEU(欧州連合)が発足することになりました。1994年にはオーストリア、スウェーデン、フィンランドといった国々も加盟協議を終了し、EUへと加わっていきます。

そして現在ヨーロッパの多くの国で使われている通貨であるユーロはこの頃に登場しています。1994年に欧州通貨機構が設立され、1999年に単一通貨としてユーロが導入されています。またこれに先立ち欧州中央銀行(ECB)が設立されています。そして2002年1月1日、ユーロの紙幣と硬貨の一般流通が開始され、これによって完全に旧通貨からの移行がされることになりました。ドイツのマルクや、フランスのフランなどはこの時になくなったということになります。また、以前のコラムでも取り上げましたが、イギリスではユーロへの統合の準備段階でジョージ・ソロスを中心としたヘッジ・ファンド勢にポンドを売り崩されたのもありユーロの導入は行われませんでした。

現在EUは加盟国数28ヶ国と欧州のほとんどの国が加盟する巨大な共同体となっています。また離脱した国は過去にありません。そのため今回の英国のEUからの離脱というのはヨーロッパの経済的、政治的な統合の流れに逆らう初めての出来事ということになります。EUの規約により2年以内に離脱を進めていくことが求められるようですが、今後の英国はEU諸国とかなり厳しい交渉が強いられることになりそうです。EU側としては英国に対して中途半端な対応をしてしまうと、他の国々もEUを離脱しても良いのではないかと考え離脱の連鎖が続いてしまう可能性もあるからです。それだけは絶対に避けたいEU側と、なんとか自国の利益を損なわないように離脱を成功させたい英国。今後のヨーロッパを中心とした政治・経済の動きからは目が離せません。

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