米雇用統計 衝撃的な低さ【経済】
2016.6.4

株式会社AWARDの渡邉です。日本時間で6月3日の夜に米国雇用統計が発表されました。もともとかなり良い数字を期待されていたのですが、結果は衝撃的な低さとなりました。ドル安円高が急激に進み、1ヶ月ぶりに1ドル=106円台の円高をつけました。米雇用統計では、季節の影響を受けにくい非農業部門の新規雇用者数を表します。こちらの5月での数字が、

市場の予想…16万4000人増

結果…3万8000人増

だったということで、およそ4倍のギャップがあり一時パニック的に円高が進みました。なぜ米雇用統計が悪いと円高が進むのか。それは米国が、景気が良ければ利上げを実施すると表明しているからです。

米国利上げ⇒米ドルにお金が集まる(米ドル高)

米国利上げ見送り⇒米ドル以外の通貨に市場の目が向く(米ドル安)

となることになります。金利が高い通貨に資産を置いておきたいと多くの人は思うので、利上げにより通貨の価値が上がるんですね。ちなみに先月の雇用統計では、12万3000人増だったため、今回で急激に雇用のスピードが鈍化したことになります。ただしこれが米国経済が軟調であることを一概に示すものではないのではないか、という見方もあります。

世界を不景気の底に落とし込んだ8年前の事件と言えばリーマンショックです。実は今回の雇用統計で発表された米国の失業率は、4.7%とリーマンショック前の2007年の11月の水準にまで回復しています。つまり雇用者数の伸びが鈍化したのは、実は米国の労働市場がほぼ飽和するほど回復したからではないか、という見方もできます。実際のところ雇用統計が悪いと米国の株価は下がるはずですが、発表からさほど下がりませんでした。就業者数の伸びは5万2000人減であった2010年9月以来5年8ヵ月ぶりの低水準でしたが、失業率は非常に低いためそれほど心配されてないと言えるのではないでしょうか。

今は米国の直接的な経済状況よりも、この雇用統計が利上げにどう影響を及ぼすかが世界の注目を浴びているところであると言えます。景気の減速を示す数字であったため、今月の利上げはない、というのが大方の見方ですが可能性はゼロではありません。6月14~15日にFOMCの政策金利発表を控えていますので、どのような発表となるか注目です。

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