米国失業率10%増
2020.5.9

株式会社AWARDの渡邉です。

新型コロナウイルスの影響で、昨晩発表された米国の雇用統計は世界恐慌以来の悪い数字となりました。数字の中身を見ていきましょう。

雇用統計の数字は?


米国の雇用統計は米国経済の状況を示す最も重要な経済指標の一つです。毎月発表されて失業率や就業者数の情報が出てきます。5月8日の日本時間21時30分に発表された4月雇用統計では、

失業率:14.7%

就業者数:2,050万人減

という戦後最悪の失業率と、過去最大の就業者数の減少を示しました。ちなみに失業率は3月の4.4%から10.3%も上昇しており、失業者数も714万人から2308万人に急増しています。

過去の景気悪化時と比較すると


2008~2009年にかけては100年に1度の経済危機と言われたリーマンショックがありましたが、そのときの失業率のピークが2009年10月の10.0%だったことを考えれば、新型コロナウイルスが世の中に与えたインパクトがどれほど大きかったかが分かります。失業率が10.3%も上昇したということは、就業する意欲のある方のうち10人に1人の仕事がなくなってしまったことになります。

なお、こちらの失業率は戦後の最悪期を上回る数字となっており、1929年の世界恐慌(第二次世界大戦のきっかけにもなった世界的な大不況)の時以来の高水準だそうです。ちなみに米国における失業保険の申請件数は未だに高水準であり、この失業率はまだ増える可能性が大いにあります。

株価はほとんど動かず


さて、そんな状態ですから雇用統計をきっかけに株価も大暴落するのでは?と思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、米国の株価は雇用統計が発表がされてもほとんど動きませんでした。それは、すでに失業率の悪化などは予測されていたからです。

むしろ発表を受けて予想通り過去最悪の失業率になっていたこと、その数字は予想より悪いといったものではなかったことから、株価はすこしではありますが上昇しています。

そして、もう一つ知っておきたいのが、今回の失業者の増大は一時的な解雇によるものがほとんどというところです。失業者のうち現在の職場への復帰を前提とした「一時解雇・帰休」にあたる方の割合は78%に上るそうです。恒久的な解雇ではなく、早期の再就労が可能な一時的な離職者が多いため、今後新型コロナウイルスが落ち着けば、その方々は再度職に就けることになります。

雇用統計は大事な数字ですが、事前の予測がされておりその数字の大小だけでは株価はさほど振り回されない、ということを今回はわかりやすく示してくれた事例となりました。予測とのギャップ、というのが大切であることをぜひ覚えておいて頂ければと思います。

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