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本日2020年2月1日の日本時間午前8時、英国が47年間にわたって加盟してきたEU=ヨーロッパ連合から離脱することになります。長らく続いてきたブレグジットの是非をめぐる英国内・そして世界中を巻き込んできた話に一つの区切りがつくと言えるでしょう。EUの秩序が変わる瞬間となりますが、今後の影響などについて考えてみましょう
英国がEUから離脱することで、まず大きな影響としてEUの発言権が弱まるというのが挙げられるのではないでしょうか。英国はEUの中でも2番目の経済大国でした。そのため英国がEUから抜けることでEU全体の世界での位置づけがすこし低くなることが考えられます。
具体的には、英国がEUから抜けることで、EUの力は下記のように変化します。
人口:5億1千万人⇒4億4千万人
GDP:18.7兆ドル⇒15.9兆ドル
人口で見ても、GDPで見てもかなり存在感は弱くなるといえるのではないでしょうか。
また、英国自体にはどのような変化があるのでしょうか。まずEUに加盟していたことで得られていた貿易や人の移動の自由などが失われ、ヨーロッパの国々と1から様々な交渉を進めていく必要があります。これには時間がかかると見られており、英国内でも離脱に対して積極的だった方々がトーンダウンする可能性もあります。
また離脱派の方々と残留派の方々が今回の離脱をめぐって真っ二つに分かれてきたわけですから、英国内での分断というのも大きな課題です。
とはいえ、こうした課題を乗り越えて英国の経済が良くなった場合には、EUの他の国々がEU離脱は悪いことではないのかもしれない、と考え始めることになるでしょう。そうなってくると、今度は英国といった一国だけの問題ではすまなくなり、EUの崩壊につながる可能性さえあると言えます。
ブレグジットが決定してから、今回の本当の離脱までにはずいぶん時間がかかりました。国民投票があったのは2016年6月のことですから、すでに3年半が経ったことになります。しかし、英国にとってもEUにとっても本当に重要な影響が出始めるのは、実際の離脱が本日完了してからなのでしょう。
引き続きEU離脱後の英国とEUの状況については観測していきたいと思います。
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