アルゼンチン資産急落
2019.8.13

株式会社AWARDです。

南米のアルゼンチンという国に馴染みがある方はさほど多くないかもしれませんが、しばしば経済のニュースでは目にする国です。昨日は日本の株式市場がお休みでしたが、アルゼンチン発の動揺が各国の市場に影響を与えたようです。

大統領選予備選での番狂わせ


アルゼンチンで行われた大統領選の予備選挙で、現職のマクリ大統領がポピュリストの野党候補に予想外の大差をつけられ2位となりました。これをきっかけとして、12日の金融市場ではアルゼンチン資産が急落することになりました。現在は米中の貿易戦争で世界経済が不安定ですが、そこに加えてアルゼンチンの大統領予備選も経済に不確定要素を増やすものだと捉えられたようです。

アルゼンチン・ペソは12日のみで一時15%安の1ドル=53ペソと、過去最安値を更新。1年前と比べると対米ドルで半値ほどになっています。もともと脆弱な通貨ではありますが、たった1年で価値が半分になるというのは恐ろしい話ですよね。通貨安のリスク事例をリアルタイムに学ぶことができます。

経済危機を繰り返す国


アルゼンチンは過去から現代にいたるまで、経済危機を繰り返している国でもあります。これまで何度もデフォルト(債務不履行)を起こしており、経済破綻の代名詞のようになっています。わたし自身、学生の頃にアルゼンチンの経済破綻のニュースにふれた記憶があります。

2001年の起こったデフォルトの際には、債務の再編と変動相場制への移行を実施し、通貨ペソを切り下げることで国際競争力の回復を試みました。そして、その試みは比較的成功し、2010年頃までは経済が順調に回復してきました。

しかし、2010年頃からバラマキ体質や経済介入の悪影響が顕著となってきて、2015年までの5年間で政府債務は4.7倍に拡大し、政府債務のGDP比も50%を超え、一度は健全化した財政も再び悪化することになりました。このあたりは日本も他国の話だと聞くのではなく、自分事で捉えた方が良いかもしれませんえ。日本も政府債務はどんどん拡大しており、政府債務のGDP比も200%を超えているからです。

正しいことは支持されるのか?


現職のマクリ大統領は、アルゼンチン経済の立て直しのために基礎的財政収支の数値目標を設定するとともに、各種の補助金を削減するなど、構造改革を次々と実施してきました。これらは現在のアルゼンチン経済を考えると正しいことかと思われます。しかし、そうした経済的な締め付けは国民からは支持されなくなってきているようで、それが今回の大統領選の予備選で2位となる結果に繋がったのでしょう。変化を恐れる、変化を嫌うのは、アルゼンチンの場合にも強く見られるようです。

政治的に正しいことをやろうとしても、多くの有権者から反対されてしまえば民主主義の舞台で活躍することはできません。多くの方にとって将来よりも今都合の良い政策が通りやすいのは民主主義の仕組み上やむを得ない部分があるのではないか、と思います。アルゼンチンの事例からは日本も学べることが多々ありそうです。

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