FOMCが利下げ
2019.8.1

株式会社AWARDです。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が本日未明に利下げを決定しました。フェデラルファンド金利の誘導目標レンジを2~2.25%と、従来から0.25ポイント引き下げ、2015年12月の利上げ以来はじめての利下げとなりました。それに伴い米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長も声明を発表していますので、そちらを見ていきましょう。

一連の金利政策の流れ


2008年のリーマンショックで世界中に大混乱が生じたとき、FOMCでは大規模な金融緩和を行い、フェデラル金利の誘導目標レンジも0~0.25%と米国の歴史上類を見ない低金利にすることで経済の回復をはかりました。そこから長らくほぼゼロ金利の状態が続いていたわけですが、その状態から正常化に向けたプロセスに入ったのが2015年12月に行われた利上げでした。

それから数回の利上げが行われ、米国の金利政策は正常化に向けて動いていたのですが、それを妨げる出来事がありました。それが米中の貿易戦争です。関税の掛け合いでお互いの国の経済が打撃を受けうる状態の中で、利上げのプロセスをそのまま続けるのはかなり高いリスクがあると市場からは認識されたのです。実際に2018年の末に行われた利上げの際には、その後に米国の株価が大幅に下落しました。FOMCとしてもそのまま利上げを強行するわけにはいかず、今回の判断に至ったことになります。

緩和サイクルの始まりではない


米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、今回の利下げについて長期にわたる金融緩和サイクルの開始を示唆したわけではなく、「下振れリスクに対する保険」を意図したものだと発言しました。実は市場の間では、緩和サイクルの始まりや、利下げが複数回に渡っておこなわれていくことを期待していた方々が多かったため、この発言を受けて米国のダウ工業株30種平均は一時、前日比470ドル超安まで下落しています。

またトランプ大統領は、パウエル議長の会見後に、市場は「長期にわたる積極的な利下げサイクル」の開始を期待していたとツイッターで批判しました。大統領からの圧力や、市場からの期待にうまく対応しなくてはならないパウエル議長を始めとするFOMCの委員の方々は大変そうです。しかし、利下げをただ進めるだけでは資産バブルや経済危機の際に身動きが取れなくなるなどリスクも高まるため、今回は慎重に一回の利下げを行ったことになります。

この後の経済に注目


利下げが継続するものではないことは一時的に市場を失望させましたが、今後それに対して株式市場がどう反応するのかには注目が集まります。期待が裏切られたとして下落が続くのか、それとも経済の下振れリスクがあるときには利下げという手段をFOMCが使うことが示されたことで市場は安心していくのか、全体的な心理に左右される相場になりそうです。

日本の日銀や欧州のECBを始めとする各国の中央銀行や中央銀行の機能を持つ組織は、それぞれ金融政策で経済の流れを調整しています。今回のFOMCの利下げでどう流れが変化するのか、注目してみてはいかがでしょうか。

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