英議会 離脱延期を可決

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株式会社AWARDです。

14日の夕方に英議会がEUからの離脱の延期をEUに求める動議を賛成多数で可決しました。20日までに英・EUでまとめた離脱案を英議会が承認した場合には、3月末の離脱期限が6月末まで延期されることになります。国民投票から2年半が経ち未だに揺れる英国ですが、現在どのような状況になっているのでしょうか。

2016年6月23日に始まった


英国のEUからの離脱について、国民投票が行われたのは2016年6月23日のことでした。この国民投票で51.9%対48.1%で離脱派が勝利したことから、現在の離脱交渉までの流れに至っています。投票率は71.8%で、3000万人以上が票を投じた国民投票でした。

その後に新たな首相としてテリーザ・メイ氏が就任し離脱交渉を進めていました。メイ首相は離脱の交渉をよりスムーズに進めるために、2017年6月8日に総選挙を実施して自身が所属する保守党の勢力を伸ばそうともくろみましたが、その試みは裏目に出ました。保守党は過半数を失い、選挙戦前より議員数が減らすことになり、各党との調整がなければ離脱交渉を進められない状況になったのです。

離脱期限は今月だったが


英国がEUから離脱するには、リスボン条約の第50条という条約を発動させなければなりませんでした。50条を発動すると、離脱の条件に合意するためにEUと離脱する国の双方に2年間という期間が与えられることになります。そして、メイ首相は2017年3月29日に第50条を発動したため、英国がEUから離脱する期限はその2年後の2019年3月29日、つまり今月末ということになっていました。

この50条の2年間というのは、EUとの貿易その他に関する交渉の時間とされていました。しかし、未だに英国はEUや所属各国との交渉や国内での離脱条件の合意を十分に進めることはできておらず、今月末の離脱は難しい状況に追い込まれていました。そのため今回離脱の延期をEUに求める方向になったことになります。

まだ道のりは遠い?


今回の合意では6月末までの離脱期限の延期、ということになっていますが、それも20日までに英・EUでまとめた離脱案を英議会が承認した場合、という条件がついています。英国内でも意見がまとまっていない中、まだまだEUからの離脱への道は遠いのかもしれません。法律や条約などの様々なルールの中で、模索しながら離脱への道を一歩一歩進めているような状況のようです。

EUから英国が離脱するというのは、世界の経済にとっても大きな影響があります。今後の行方についても注目してみてください。


執筆者:渡邉亮

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