ファーウェイとは?

海外

株式会社AWARDです。

12月5日、カナダ司法省は中国通信機器の大手、ファーウェイ(華為技術)の創業者の娘である孟晩舟・副会長兼最高財務責任者(CFO)を逮捕しました。アメリカが経済制裁を科すイランに製品を違法に輸出した疑いで、アメリカ当局が孟氏の拘束を要請していたとのことです。この事件は市場に大きな動揺を与えましたが、いったいファーウェイとはどういった企業なのでしょうか。

中国の巨大通信機器会社


ファーウェイは中国で生まれた売上高10兆円を超える通信機器会社です。創業者は中国の人民解放軍の元技術将校となります。つまり、中国という国との繋がりがとても深い企業であるということです。ここ10年間で年商が6倍になっているという超スピードで成長している企業でもあります。現在では世界170ヵ国で事業を展開し、世界人口の3分の1が利用する通信インフラの構築に利用されています。

モバイル通信インフラの業界において世界でNo.1のシェアを占めているのに加え、最近ではスマートフォンの出荷台数もiPhoneを作っているAppleを超えてサムスンに次ぐ世界2位となっています。このことからもとんでもなく巨大な企業であることがお分かりいただけるでしょう。

世界から危険視


しかし、このように急成長を遂げたファーウェイですが、最近は世界の国々から危険視をされている企業にもなっています。昨日は、日本政府が各府省庁や自衛隊などが使用する情報通信機器について、安全保障上の懸念から、ファーウェイとZTE(こちらも中国の企業です)の製品を事実上排除する方針を固めたとの報道がなされました。ファーウェイの製品を分解したところ、ハードウェアに“余計なもの”が見つかったとの怖い報道がなされています。

世界各国も以前からファーウェイへの対応を強めているところでした。

アメリカ…ファーウェイとZTEの製品を政府機関と関連企業が使用することを禁止

オーストラリア…ファーウェイとZTEの5G設備を国内事業者が導入することを禁止

韓国…大手通信事業者が5Gインフラ設備の事業者リストからファーウェイを除外

といった具合です。

通信網を握られることへの懸念


世界各国がここまで厳しい対応を取るのは、通信網を中国企業に握られることへの懸念があるでしょう。これから通信規格は4Gから5Gへと移っていくと言われています。様々な技術が5Gを導入することによって実現していくとも言われていますが、その過程で通信インフラが巨大な中国企業に握られることを各国の政府は恐れているとも言えるでしょう。

ファーウェイ製品に安全保障上の問題があったとする報道が事実であれば、これは大きな問題へと発展する可能性があります。すでに日本でもファーウェイ製品は広まっていますので、特定の企業へと深刻なダメージを与えることも考えられますし、中国と米国の貿易摩擦の問題が激化するきっかけにもなり得るかもしれません。


執筆者:渡邉亮

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