マイナス金利 で通貨の価値が下がる?【海外】
2016.2.28

株式会社AWARDの渡邉です。前回のコラムではG20の声明について簡単にまとめさせて頂きました。今回はG20の声明から見た日本の金融政策について触れていきます。

G20の中で盛り込まれた内容の1つとして通貨の競争的切り下げを回避する、というものがありました。競争的な通貨の切り下げに関しては2008年のリーマンショック以来各国で行われてきたというのが一つの見方としてあります。自国の通貨を安い方に導くと輸出企業などが恩恵を受ける事ができ、経済に対して寄与すると考えられています。リーマンショックによって信用収縮が起きた際に、各国の中央銀行は対策として金融緩和を実施しました。これは米国も欧州も同じです。日本ももちろん金融緩和は行ってきましたが、緩和の規模が小さかったこともあり2011年には1ドル=70円台という記録的な円高になったこともあります。

通貨の切り下げは輸出企業に対しては恩恵がありますが、周りへ及ぼす影響も考えると一概に安い方が良い、という訳ではありません。どこかの国が通貨を安くする政策を行うと周りの国の輸出産業は打撃を受けます。アベノミクスで金融緩和が実施されて以来、お隣の国である韓国は経済的にかなり苦戦を強いられているようです。

こういった状況に対抗しようと各国が自国の通貨を他国に比べて安くするという政策を行ってしまうと、際限なく金融緩和が行われていき世界経済のバランスが崩れてしまいます。また急な通貨安は混乱を招くケースもあります。2015年8月24日に起きた中国発の世界の株価の暴落は、人民元の切り下げが一つの要因であったと考えられています。

今回G20では人民元のこれ以上の切り下げがないように中国をけん制する動きがあったのとともに、日本の マイナス金利 政策への懸念も討議されたと記者会見でコメントしている出席者の方がいらっしゃいました。金利をマイナスにするというのは、一般的には通貨を安くする方向に誘導しているとみられることもあるでしょう。

日銀の黒田総裁はG20に先立ち マイナス金利 政策が日本円の価値を下げるためではないと国会で明言するなど、各国の理解を得るために活動しており、G20の中でも表立った質問の場では各国からの質問はなかったそうです。これは欧州等もマイナス金利を実施していることもあり触れられなかったというのもあるでしょう。

通貨の競争的切り下げが起きてくると、世界経済の混乱に拍車がかかる可能性があります。各国の金融政策は緩和的なところが多いですが、今後為替相場の下落につながる政策を行う際には事前に通知することで合意されたという話もあります。今後の各国の通貨に対する政策にも注目ですね。

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