株式会社AWARDの渡邉亮です。
荒れ模様の株式市場が続いていますが、ひとつ風向きが変わりうる発表が今夜あります。それはECB(欧州中央銀行)の政策金利の発表とドラギ総裁の記者会見です。本日はECBとはどういった組織なのか、そしてECBの役割とはどのようなものなのかを書いていきます。
欧州中央銀行 は、英語でEuropean Central Bankとなり頭文字を取りECBと呼ばれています。欧州『中央銀行』という名の通り、ユーロ圏17か国の金融政策を担っている中央銀行です。日本の日本銀行的な位置付けですね。1998年6月1日に設立され、本店は欧州でもトップクラスの金融街であるドイツのフランクフルトに置かれております。
さて、ECBの役割とはどのようなものなのでしょうか。それはユーロ圏における物価を安定させることであり、EU(欧州連合)の経済政策を支援することでもあります。現在ECBは目標としているインフレ率(物価の上昇率)として2%程度という数字を掲げています。その目標を達成するために金融政策を実施している訳ですね。最近では昨年の12月3日に政策金利の引き下げによる金融緩和を行っています。
そんなECBにおいて、常にその言動が注目されているのがマリオ・ドラギ総裁になります。ニュースでも名前が出てくることが多いので覚えておいても良いかもしれませんね。このお方は、過去にはゴールドマン・サックス副会長、イタリア銀行総裁等も歴任しているのですが、1990年代にイタリアの財務省で国営企業の民営化を推し進めた人物としても知られています。このときの民営化でイタリア政府の財務状況は改善し、EUへの加盟も実現できたそうです。一国の運命を変えた方が、現在ECBのトップとしてユーロ圏ひいては世界の経済へと影響を与えていることになります。
本日は6週間毎に行われるECB理事会があり、政策金利の発表やドラギ総裁の記者会見が予定されています。世界経済が落ち込みつつある中、どのような内容が出てくるのか要注目です。