消費税10%の影響は?

税金

株式会社AWARDです。

10月1日から消費税が8%から10%に上がりましたが、消費者の行動に変化は起きたのでしょうか?日本経済新聞社とテレビ東京が行った世論調査の結果とともに、すこし考えてみたいと思います。

変わらないが76%


こちらの世論調査は、10月25~27日にかけて全国の18歳以上の男女に電話で実施され1029件の回答をもとに得られた結果となります。10月1日から消費税率が10%に引き上げられた後、家計支出を減らしたかどうかを聞いたところ「変わらない」が76%で、「減らした」が21%だったとのことです。

消費税増税時には消費が低迷し、結果として経済が停滞するというのは、過去の引き上げ時に起きてきたことでした。本来増税は国の税収を増やすために行われていますが、買い控えが起きるなど消費が低迷すると逆に税収が落ち込むという本末転倒な結果にもなりかねないリスクがあります。

増税から約1ヶ月が経ちましたが、今回の場合は消費行動を変えていない方が多い模様です。今後正確な統計結果が出てくることで、駆け込み需要や増税後の買い控え等の消費者の行動が浮き彫りになってくることでしょう。

株価も堅調


また一部の間では増税とともに日本市場では株価が低迷するのではないかという話がありましたが、実際にはそうした様子もありません。例えば月初の日経平均株価と今の日経平均株価を比較してみると、

10月1日始値 21,831.44円

10月25日終値 22,799.81円

4.4%ほど上昇しています。増税の影響で株価が下がった、という印象は受けない数字ですよね。

ただし、増税の影響が全くなかったかと言うとそこを判断するのは難しいです。10月に入ってからは日米の貿易戦争に関する進展や、英国のEU離脱に関するニュースの方が大きく株価に影響を与えていたため、それらのニュースの陰に増税のことは隠れてしまったというのもあるかもしれません。

軽減税率はいつまで?


また、今回の増税の影響を緩和しているものの一つに軽減税率があります。飲食料品や新聞は例外的に消費税率が8%に据え置かれているのは皆さんもご存知のことでしょう。またキャッシュレス決済にともなう還元も、意識して利用している方は多いのではないでしょうか。

ちなみに軽減税率に関しては終了のタイミングは定められておらず、期間未定となっています。ただし、キャッシュレス決済に伴う還元の実施期間は2019年10月1日から2020年6月末までの9カ月間と定められているため、来年7月以降はキャッシュレス決済でも10%ないしは軽減税率の8%を普通に支払うことになります。

消費税増税に伴う消費対策は今のところ上手く機能してそうに見えますが、影響がはっきりとわかるのはもう少し先になるかもしれませんね。


執筆者:渡邉亮

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