相続対策としての贈与
2019.4.16

株式会社AWARDです。

日本は相続税が重い国の一つです。世界の中には相続では税金がかからない国もある中で、最大で半分程度の資産を税金として国に納めなくてはいけないようになっています。そんな重い相続税ですが、時間をかけて対策を練ることで大きく負担を減らすことができます。その対策の一つが生前贈与です。

相続税の税率は?


相続税額の算出方法は、相続人が実際に取得した財産に直接税率をかけるものではありません。遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を、法定相続分で分けた場合で税率をかけて計算します。そのため、控除額や各種特例などによっても実際の相続税額は変わってくるのですが、参考として税率を確認してきましょう。

現在の相続税の税率は下記のようになっています。

取得金額 税率 控除額
1,000万円以下  10%
3,000万円以下  15% 50万円
5,000万円以下  20% 200万円
1億円以下  30% 700万円
2億円以下  40% 1,700万円
3億円以下  45% 2,700万円
6億円以下  50% 4,200万円
6億円超  55% 7,200万円


6億円超の資産がある場合には、税率はなんと55%。
半分以上が対象になるのですから驚きですよね。「3代の相続で財産はなくなる」と言われることもありますが、資産が大きな場合ほど税金の負担は重くなることになります。

なぜ生前贈与が有効なのか?


相続税の対策として、まず取り組みやすいものとして、『生前贈与』が存在します。これは将来相続をされる方が、相続をする人、その他の方に対して生きている間に財産を移転していくことです。贈与にも税金はかかってくるのですが、1年あたりに受け取る額が小さければ、低い税率で資産を移転できるというメリットがあります。

相続対策で使われる生前贈与には2種類あり、『暦年贈与』と『相続時精算課税制度』が存在します。長い期間をかけて相続対策をするのであれば、暦年贈与が特に有効です。暦年贈与は毎年おこなうことができるのですが、相続税と贈与税の税率の違いがポイントになります。暦年贈与には基礎控除として110万円が認められており、また基礎控除を除いて200万円までは税率が10%です。例えば30年間かけて子どもに対して310万円ずつ生前贈与を行うとしたら、

【贈与できる額】
310万円×30年=9,300万円

【支払う贈与税】
(310万円-110万円)×10%×30年
=600万円

といったように多額の資産がある場合の相続税よりも、はるかに低い税率で資産を引き継いでいくことができるのです。当然基礎控除の枠内(110万円以内)で暦年贈与を実施した場合には、税金自体かからないことになります。

注意点は?


暦年贈与で絶対におさえておきたい点としては、贈与自体を記録に残しておくことです。相続発生時の税務調査で否認されないように、毎年書面を交わして贈与契約を行うべきでしょう。また贈与はお互いの同意で成り立つものですので、一方的に将来相続される側が相続する側にお金を振り込むといったことも避けましょう。親が子の通帳を作って、そこに本人の同意を得ずに積み立てている場合などは、贈与契約と見なされないこともあります。子が印鑑と通帳を管理している事実があることも必要となってきます。

折角の対策も、いいかげんにやって否認されてしまったら元も子もありません。ポイントをおさえて早めから相続対策としての生前贈与は検討していけると良いかと思います。時間をかければかけるほど、生前贈与は有効な相続対策になるのです。

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