相続への備え方

相続・事業承継

株式会社AWARDです。

誰でもいつかは向き合うことになる相続。人生の中でも大きなイベントになりますが、スムーズな相続のためには事前にいくつかの準備をしておくことが大切です。本日はそのあたりのポイントについて簡単にまとめてみます。

相続で起きる問題とは


相続の際に起きる問題は、いくつか種類が分かれます。大きく分類すると、

・遺産分割の問題

・相続税の納税の問題

の2つを挙げることができます。この2つは1つのものとして考えてしまいがちなのですが、遺産分割をどのようにするかと、相続税をどう支払うかは別の課題として捉えるのがお勧めです。巷では相続税を払いたくないという人の意識を利用して、相続税の対策のための商品が色々と販売されていますが、そうした税金対策だけに目を向けると逆に遺産分割で揉める原因になることもあるのです。

どちらを優先すべきか


この2つの問題において、円滑な相続のためには遺産分割をどのように行うかを優先して考えるのがお勧めです。誰かどのような資産を引き継ぐかを事前に決めておくことで、税金周りの課題に対してもあらかじめ準備することが可能です。例えば大きな不動産や、未上場企業の株式などが資産に含まれる場合は、特に事前の対策が重要となります。これらは分割すると価値が減ってしまう資産でもあり、誰でも引き継いだら上手く活用できる資産でもないからです。

全く見ず知らずの遠くにある土地を相続で引き継いだとしても、どう活用すれば良いか困ってしまう、という方は多いと思います。また、未上場企業の株式を後継者の方と経営に関わっていない兄弟姉妹が分割して保有することになれば後々揉める原因になりそうですよね。こうした問題が起きないように事前に準備することが大切なのです。

資産を誰が引き継ぐかを予め指定することができるのが遺言書となります。遺言書は、

・自筆証書遺言

・公正証書遺言

・秘密証書遺言

の3つの種類が法的に有効なものとして認められています。専門家は間違いがないという意味で公正証書遺言をお勧めする場合が多いですが、最も気軽な自筆証書遺言が世の中的には一番利用されているようです。

納税資金の準備も


さて、優先するのは遺産分割であると上記では書きましたが、遺産分割について考えたあとには納税資金の準備も当然しなくてはなりません。また、遺産分割で相続人の引き継ぐ資産に偏りが出た場合には、代償分割といって多くの資産を取得した人が他の相続人に対して債務を負担するといったことも起きてきます。

こうした納税資金や代償分割の準備には生命保険や生前贈与も有効に活用することができます。相続は前もって考えておくことで、関わる人みなが納得できるような円満・円滑な相続にすることができます。相続される人、相続する人での早めの話し合いの場を持ち、少しずつ準備をしていくことをお勧めいたします。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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