株式会社AWARDの渡邉です。
米国の住宅事情
について今回は取り上げてみたいと思います。現在米国では、住宅価格の上昇と住宅ローン金利の上昇のダブルパンチで、住宅を購入できる方が減ってきています。
ニュース記事をもとに、その辺りの事情を読み解いていきましょう。
1.米国の住宅価格
米国では住宅価格が上昇しており、多くの方にとってマイホームが手に届かないものになりつつあります。
米国のカリフォルニア州の不動産協会が公表したレポートによると、同州の一戸建て中古住宅の価格中央値は、83万0620ドルになっているとのことです。ドル円の為替レートは現在1ドル=145円ほどですから、約1億2000万円ということになります。こうした物件の購入条件を満たせる世帯は全体の16%だとか。
ちなみに全米では住宅価格の価格中央値は40万2600ドルとのことです。これは日本円にして5800万円程度。
これだけ見ると、日本の都心の住宅価格と比べて手が届きそうな感じもしますが、米国で住宅を購入する際には金利が大きな壁となります。
2.米国の住宅ローン金利
米抵当銀行協会が発表した8月4日までの最新の30年物住宅ローン平均金利。こちら一体何%だと思いますか?
なんと7%超えの7.09%です。
これは22年ぶりの高水準に迫っており、2001年以降で2番目に高い数値だとのことです。日本のカードローン並みの金利ですよね。
この住宅ローンを先ほどの1億2000万円の家で組むことを想定してみましょう。為替レートが変わらない計算で、頭金20%、残りを7.09%の金利の30年の住宅ローン(元利均等返済)を組むとすると、
頭金:2400万円
ローン総額:9600万円
月々支払い:約64万円
ローン総支払額:約2億3200万円
総支払額:約2億5600万円
となります。
なんと、住宅ローンの金利も含めると、住宅価格の2倍以上の支払いをすることになるわけです。
ちなみに、こうしたローンを組むには、少なくとも20万8000ドル(日本円にして約3000万円)の年収が必要とのこと。確かにかなり厳しい支払いになりますから、このくらいの年収は必要かもしれないですね。
3.日本でも同様の現象が起きる?
こうした米国の状況は、日本も他人事というわけではありません。
都心部の住宅の価格は高騰してきていますし、住宅ローンの金利も固定金利に関しては少しずつ上昇する傾向もあります。
一方で、日本はこれから人口が減っていくことは確定していますし、使われていない空き家が増えているのも社会問題になっています。
場所や地域を選ばなければ、住居の確保はできるのでしょうが、職場に近い、快適な住宅、という観点で住居を選ぶと、なかなか希望の住宅に住めない、という方は今後増えてくるかもしれません。
将来的なライフプランも考慮した上で、住宅に関しては真剣に考えていきたいですね。
4.まとめ
米国では住宅価格の高騰、金利の高騰の影響で住宅が購入できない、という方が増えています。
日本も他人事ではなく、希望の住宅を確保する、というのが難しい状況になっていく可能性があります。
一方では日本では人口の減少、空き家の増加も同時に起きています。将来的にどこに住みたいか、どうやって住居を確保していくかについては、早めに考え始めると良いのではないでしょうか。