株式会社AWARDの渡邉です。
住宅の購入を検討する際に、多くの方が気にするのは、現在の家賃と比べてローンの返済額が多いか少ないか、というところのようです。
しかし、実際に家を買うとローン返済以外にも様々なコストがかかってくることになります。今回はマンションの維持コストについて取り上げてみたいと思います。
マンションの維持費でかかるのは?
マンションの維持費でかかる項目を挙げてみると、
・管理費
・修繕積立金
・駐車場代・駐輪場代
・固定資産税
・火災保険料
などがあります。住宅ローンの返済が終わっても、これらの支出は続くことになりますので、計算せずに買うと後々意外と負担になることもあるでしょう。
金額としては、
管理費が月々1.5~3万円程度、修繕積立金が月々1~3万円程度、駐車場代・駐輪場代が月々0.5~3万円程度、固定資産税などの税金が毎年10~20万円程度、火災保険料が毎年0.5~1万円程度(10年払いの場合)といったところでしょうか。
すべて足し合わせると、住宅ローンの返済以外でも月々4~5万円程度支払っているという場合も多いようです。
タワーマンションの課題
なお、タワーマンションの場合などは特に修繕費で大きな課題を抱えていることが多いです。
2000年以降にタワーマンションの建設は本格化してきましたが、大規模修繕費の費用が当時よりもかなり上がっている、という実情があります。
建設全般でかかる費用は2011年の東日本震災や東京オリンピックを経て当時よりも上昇してきており、元々作られている修繕計画の通りだと大規模修繕の費用が足りなくなる、といったことが増えてきているとのことです。
タワーマンションの場合は、大規模修繕の際に非常に多くの足場を組む必要があります。この足場の安全基準があがったり、レンタル費用が高騰していることもタワーマンションの修繕費用の上昇に繋がっています。
また、こちらのコラムでも触れているようにコロナ後の金融緩和の影響で世界的にインフレも進んできていますので、建築資材自体の価格も上昇しています。現在の水準で修繕費用が留まる保証もどこにもありません。
すでにお持ちの方が取り組めるのは?
さて、こうしたコストのことは不動産を購入する際には事前に考慮しておきたいところですが、すでにマンションをお持ちの方はどうしたら良いのでしょうか。
1つの選択肢として、マンションの管理組合で理事に入ることで積極的に修繕コストの削減などに取り組むという方法が挙げられます。大規模修繕の計画は元々管理会社が主導となり作られているため、外部のチェックを入れることによって不必要なコストを削減できる場合もあるそうです。
他には住宅ローンの借り換えを行い、金利を下げたり借入期間を延ばす対策を早めに行うことで月々の負担を抑えることも可能でしょう。将来に渡ってのシミュレーションをしてみて、負担が大きいと感じた方は、現在はマンション価格が高い時期でもあるので売却を視野に入れてみるのも選択肢になるかと思います。
将来に渡って金銭面でも生活面でも満足できる家かどうか、という視点で持ち家は選べると良いですね。もちろん、考慮の上で賃貸を選択するというのが向いている方もいらっしゃると思いますので、ご自身に合った住居の計画を立ててみてはいかがでしょうか。