株式会社AWARDの渡邉です。
住宅を購入するときに気になることの一つが、お金のことなのではないでしょうか。人生の中でも大きな買い物となる住宅ですから、ここで選択を誤ると様々なライフプランに影響を与えることが考えられます。
住宅購入に関して注意すべきことは多いですが、本日は特に頭金について考えてみたいと思います。
住宅を購入する上で用意する頭金は、住宅購入の大きなハードルの一つと言えるでしょう。2019年度のフラット35利用調査を見てみると、住宅を購入する方々がどのくらいの頭金を実際に用意しているかを見て取ることができます。住宅の種類別に見ると、全体の価格に対して、
注文住宅:18.0%
建売住宅:8.1%
マンション:16.3%
中古戸建:8.1%
中古マンション:11.3%
といった割合で頭金を入れているというのが平均のようです。住宅の種類によって違いはありますが、概ね8~18%程度が頭金として用意されるというのが平均的な数値となるようですね。
頭金をたくさん入れるのは、良いことであると考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的にはそれには賛成できません。これにはいくつかの理由があり、
・住宅ローンの金利が歴史的に見てもとても低いから
・頭金として支払ったお金は簡単には引き出すことのできないお金になるから
・頭金を入れすぎることで他のライフイベントでお金が不足する可能性が高まるから
などが挙げられます。
どれも重要ですが、特に注意したいのが最後の他のライフイベントでのお金の不足です。住宅は確かに重要ですが、人生には教育資金や老後の資金といった大きなお金を使う場面が他にも存在します。頭金の入れすぎでそれらのライフイベントに対応できなくなるのは、避けたいところです。
個人的にお勧めなのは、頭金に使えるお金が用意できた場合でもできるだけ住宅ローンを多く借りるということです。住宅ローンは非常に低い金利が適用されるとても有利なローンです。1%以下の金利で個人ができる借入というのは、住宅ローン以外にはほとんどないでしょう。
できるだけ低い金利で借入を起こして、手元にあるお金は資産運用をしたり、現預金として保有したりすることで、いつでも使える状態にしておくと良いのではないでしょうか。住宅ローンの返済は、繰り上げ返済を使えばいつでも可能です。一方で手元のお金が減ってきたからお金を借りるというのはとても難易度が高いですから、手元にすぐ使えるお金を確保しておくことが重要なのです。
ライフイベントで使うお金の目途が十分に立ちましたら、住宅ローンの返済は一気に進めてしまえば良いでしょう。一つの参考にしてみていただければと思います。
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