株式会社AWARDです。
『70歳定年法』。この言葉をどう感じますでしょうか。こちらは高年齢者雇用安定法の改正案の通称となります。本日はこちらの改正案について内容を見ていきましょう。
定年が70歳に?
こちらの改正案はこれから通常国会に提出される予定となっています。内容としては、60代の働き手を増やし、少子高齢化で増え続ける社会保障費の支え手を広げるものとなっています。
ちなみに65歳までは改正前の時点で企業の実施義務が定められています。具体的には、
・定年廃止
・定年延長
・継続雇用制度導入
のどれかで社員を処遇する義務があり、実行しなければ行政指導を経て最終的には社名が公表されることになっています。
今回の改正案ではそれらに加えて、
・再就職の実現
・起業支援
などについても盛り込まれます。対象が70歳まで広がるため、企業としては60歳を超えた社員に対する処遇を今まで以上に考えていく必要が出てきます。
いつから実施?
こちらの改正案は、早ければ2021年4月から実施される見通しとなっています。ただし、60代後半の方に対しての対応については、当面は努力義務となっており実施しなくてもペナルティーなどはありません。とは言っても、将来的には60代前半と同じ実施義務にすることも政府は検討しているようです。
厚生労働省の調べによると、19年6月現在で定年の廃止に踏み切った企業は全体の2.7%となっていますが、継続雇用制度を導入した企業は80%弱に達しているとのこと。国全体で高齢者が働ける環境作りには力を入れていることがわかります。
企業にとって厳しい面も
さて、こうした法改正によって高齢の方でも働ける環境が整っていくのは良いことのように思えますが、企業側にとっては負担が増えて生産性が落ちていくということに繋がる可能性もあります。特に体力のない中小企業にとっては、定められた義務を果たしていくだけでも大きな負担になってしまうことが懸念されます。
法律で定められたから70歳まで雇用が確保されるというのではなく、働く側の人間が70歳になるまで企業側から求められ続ける人材であり続けるために何をしていくか、という視点もわたしたちは持っていかなければならないのではないでしょうか。長く世の中から求められ続ける人材であるためには、戦略的な学習が大切です。常に能力を高め続けるための努力は積み重ねていかなければいけない時代かもしれませんね。