海外不動産の節税封じ
2019.11.27

株式会社AWARDです。

かなり面白いというか、富裕層の方は青ざめるようなニュースが飛び込んできました。政府・与党が海外への不動産投資を用いた節税をできないようにする方針を固めたようです。2020年度の税制改正大綱に盛り込まれ、2021年分以降の所得税に適用されることになりそうです。

なぜ海外不動産投資で節税?


海外不動産投資で節税、と言われても多くの方はピンとこないのではないでしょうか。これは日本と海外の不動産の違いを利用して、所得が高い富裕層の間でよく行われていた手法になります。海外では日本よりも古い物件の価値が落ちづらく、建物価格の割合が高い(不動産の価格は土地と建物にわかれています。)不動産が存在しています。

耐用年数という税制上の使用可能とみなされる年数を過ぎた不動産は、購入した建物の部分の価格を4年間で経費計上できるというルールがあり、これを利用して他の所得と合算して損益通算することで所得税が小さくなったように申告すると節税効果がありました。今まではルールの範囲内で認められていた手法でもあります。こちらの損益通算を2021年の分の申告からできないようにするようです。

富裕層対策の税制改正


今回の税制改正の方針は富裕層に対する課税の強化です。日経新聞によると、会計検査院が富裕層の多い東京都の麹町税務署管内などで調べたところ、海外の中古物件で延べ337人が39億8千万円超の赤字を計上していたとのことです。人数で赤字額を割ると海外不動産を用いて一人当たり1,181万円ほどの赤字を計上していたことになります。

こうした海外の不動産を購入した場合の赤字の計上は単年で終わるものではありません。4年間償却が可能な物件を購入して、その上で売却時の税金が安くなるように5年以上保有してから売却するという流れで投資をスタートさせていた方が多いと思われます。つまり、今年節税目的で海外不動産を購入したという方は、2021年の所得税からは損益通算ができなくなるため、2021年と2022年の2年間分は節税の目論見が外れてしまうことになります。

上場企業も販売していた


こうした節税目的の海外不動産に関しては、上場企業でも販売のためのセミナーなどを開催していました。そうした会社も今後は販売方針を変えざるを得なくなるでしょう。

節税目的の海外不動産というのは業界的には比較的知られた方法だったので、今回の税制改正に関してはついにメスが入ったなという印象です。ただし、今回のはあくまでも節税目的での海外不動産の取得がむずかしくなっただけで、収益性の高い海外不動産に関しては購入の価値がなくなるわけではありません。ルールを理解した上で投資を行ったり、お金の計画を立てていくのは大切ですね。

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