株式会社AWARDです。
居住用の物件を買うとき、投資用の物件を買うとき、物件価格が割安か割高かというのはとても気になるポイントなのではないでしょうか。そんな割安・割高の指標として使えるデータとして『マンションPER』という考え方についてご紹介させていただきます。
PERとは?
PERとは本来株式の世界でよく使われる指標です。株価収益率(Price Earnings Ratio)の頭文字を取ってPERと略されています。株価が「1株当たりの当期純利益」の何倍になっているかを示す指標であり、数字が大きければ大きいほど割高、数字が小さければ小さいほど割安だと考えるのが一般的です。
言い方を変えると、その株式を保有していると会社の出す利益何年分で株価のもとが取れるかといった指標になります。例えば1株あたりで計算した利益の額が100円の企業があるとしましょう。この場合、株価1,000円であればPERは10倍、株価が2,000円であればPERは20倍、ということになります。
マンションPERの考え方
マンションPERというデータを出しているのは、不動産専門のデータ会社である東京カンテイです。新築マンションPERという数字ですが、どのような値かというと、
マンション価格が同じ駅勢圏のマンション賃料の何年分に相当するかを求めた値
と定義されています。不動産は誰かに貸すことで賃料という収益を生み出してくれます。この賃料何年分でマンション価格を回収できるか、というのをマンションPERとしているということですね。
2017年における新築マンションPERの首都圏平均は24.49となっていましたが、この数字は低ければ低いほどマンション価格が割安であることを示します。この数字が低い首都圏の上位の駅を見てみると、
1位 柏 14.97
2位 京急川崎 16.05
3位 上尾 16.59
4位 目黒 17.27
5位 千葉 17.61
となっていました。これらの街だと、マンションを購入して人に貸した場合、他の地域にくらべて高めの賃料が得られるということになります。
割安割高を数値で見る
このマンションPERは一般的にある考え方というよりも、株式の評価の仕方を応用した考え方になります。しかし、物件購入後に賃料何年分で回収ができるのだろう、というのを考えておくのはとても有効なのではないでしょうか。
不動産価格というのは割高割安の指標があまり明確ではないため、マンションPERなどで見ると街の性質を数字で見ることも可能です。必ずしもマンションPERで割安だからその後に値上がりするですとか、賃料が下がらないとかではありませんが、一つの参考指標として見てみると良いのではないでしょうか。