株式会社AWARDです。
不動産を買うときに頭を悩ませることの一つが、頭金を入れるかどうかという点でしょう。またローンを組んだあとに、繰上げ返済をすべきかどうかについてもご相談が多い点になります。本日は不動産のローンとの向き合い方として『頭金』『繰上げ返済』の2つの点について取り上げていきたいと思います。
その資産は固定できるか?
『頭金』『繰上げ返済』にはどちらも似たような性質があります。それは、そこに投入した資金が固定化されてしまう、という性質です。流動性という言葉はお聞きになったことがあるでしょうか。流動性とは資産を自由に換金できるかどうか、という性質であり、すぐに換金できる商品は流動性が高い、といったように表現されます。例えば上場企業の株式や投資信託などは流動性が高いものが多いと言えるでしょう。
これに対して不動産のローンの頭金や、繰上げ返済したお金は、ローンが減ることで結果的に自身の純資産を増やすことにはなりますが、容易に換金できるものではなくなってしまいます。つまり、流動性が非常に低い資産になってしまうということです。
金利の圧縮効果
しかし、頭金を入れたり、繰上げ返済を実施することで、支払う金利を圧縮することができるのにメリットを感じる方もいらっしゃいます。昔は住宅ローンの繰上げ返済がなによりもお得な投資だ、と言われたときもありました。ただし。最近の住宅ローンの金利はかなり低いものが多くなっています。住宅ローンの金利であれば1%を切る金利も多いですし、不動産投資用のローンでも2%前後の金利で貸し付けがされています。
期間短縮型で頭金を入れたり、繰上げ返済をした場合、そこで得られる金利の圧縮効果は住宅ローンの金利でその期間運用をした場合と同程度になります。つまり住宅ローンの金利で残りの返済期間分の定期預金にお金を預けるのと同じくらいの効果があるということですね。低い金利でローンを借りることができている場合、そこで得られる金利の圧縮効果はそこまで大きくはならないのです。
住宅以外の資産も大切に
人生で大きな出費というのは住宅だけではありません。お子さんの学費、老後の生活費など備えるべき出費は様々なものが考えられます。住宅に対して頭金を入れすぎたり、繰上げ返済をし過ぎることで、これらの資金の確保ができなくなるのは本末顛倒です。資金を固定することのリスクを理解した上で、頭金の額や繰上げ返済の額については決定することにしましょう。
そして住宅だけに資産を偏らせるのではなく、その他の預貯金や株式、債券などバランス良く資産を保有しながら殖やせる環境を構築していくと将来の理想の生活に近づいていけるのではないでしょうか。