老後にはいくら必要か

ライフプランニング

株式会社AWARDです。

資産運用や貯蓄のことを考える上で、多くの方が目的にするのが老後の生活費を確保することです。では実際には老後の生活費はいくら必要なのでしょうか。

アンケートやデータを参照しながら、

1.老後に必要なのは月いくら?

2.総額でいくら必要か

3.一人ひとり異なる必要額

といった流れで見ていきましょう。

1.老後に必要なのは月いくら?


金融広報中央委員会が毎年実施している「家計の金融行動に関する世論調査(令和4年)」というアンケートがあります。こちらでは、全国5,000世帯から得られた老後の生活費や貯蓄に関する回答が公表されています。

このアンケートの中には、

【あなたのご家庭では、老後の生活費として、毎月最低どれくらい必要と思いますか(現在
の物価水準を基準にお答えください)。】

という設問があり、回答の平均は、

・35万円/月セカンドライフ

となっていました。すでに老後を迎えている70歳以上の方たちからも回答が得られており、そこでの平均回答額は33万円のため実際にはこちらの数字で考えるのが良いかもしれません。

2.総額でいくら必要か


この数字をもとに、65歳からセカンドライフが始まると仮定して必要な総額を計算してみます。平均寿命は男性が81歳、女性が88歳ほどになりますので、平均すると約85歳。65歳からのセカンドライフは20年間ということになります。

すると老後の必要な生活費の総額は、

33万円×12ヶ月×20年間
=7920万円

となります。8000万円近い金額となるとちょっと怯んでしまいますよね。こちらの金額を、年金を含め準備していけると良いことになります。

3.一人ひとり異なる必要額


一方、日本年金機構が発表している、夫が厚生年金の場合の夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は月に219,593円です。現在の必要な生活費に対する額に対して、約3分の2ほどは年金で賄えていることになります。

33万円の必要生活費に対して、22万円が年金でカバーできた場合、月々の不足は11万円です。この不足額が20年間続くとすると、

11万円×12ヵ月×20年間=2640万円

となり、現在の生活費の水準、年金額の水準では、老後の備えとして65歳時点で2640万円ほどを用意しておけば足りることになります。

ただし、この年金額は今後減っていくことが確実視されているため、あてにし過ぎずに半分もらえたらラッキーくらいで若い世代の方は考えておくべきでしょう。

また人によって生活水準は違うため、老後の生活費の目安も鵜呑みにするのは良くありません。老後を迎えた段階で持ち家を持っている方と、賃貸住宅に住んでいる方でもその後の必要資金は全く異なってきます。

上に挙げた例はあくまでもアンケート調査で得られた平均値であり、大切なのは自分の場合はどのくらいの資金が必要かを計算しておくことです。必要な額が分かれば、そこに向かって計画を立てることもできます。ぜひ早い段階で自分自身や家族のライフプラン作りを実施してみることをお勧めいたします。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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