年金額は増えている?
2020.9.6

株式会社AWARDの渡邉です。

2019年度に比べて2020年度の年金額が増えていることを皆さんはご存知でしょうか?ただ、年金額が増えているからと言って、わたしたちの将来が安泰というわけではありません。本日は年金制度について簡単にご案内していきたいと思います。

実額は増えても、、、


2020年度の年金の受給額は、前年度比プラス0.2%となっています。厚生労働省がモデルとして示している夫婦世帯の厚生年金があるのですが、その金額は月22万724円と、2019年度と比較して458円増えています。また、国民年金は満額で月6万5141円と133円増えています。じわじわと年金額が増えてくれたら、将来安心という感覚になりますよね。

しかし、『実額は増えても、実質は減っている』ということを知っておかなければいけません。年金額は物価や賃金の変動率に応じて決まるとされています。この本来の制度からすれば、2020年度の改定率は2019年度に比較して0.3%増えてなければいけませんでした。しかし、実際に増えたのは0.2%。これは実質的に年金が目減りしていることを示しています。

すこし分かりにくいかもしれませんが、物価について考えれば理解できます。ペットボトルの水が100円のときと、101円のときでは、手元にある10,000円の価値は変わることがわかりますか?100円のときにはペットボトルを100本買うことができますが、101円のときには99本しか買うことができません。つまり物価が上昇しているときは、同じだけお金も増えなければ実質的にお金の価値は減るということです。年金制度では、まさにこういったことが起きているわけです。

マクロ経済スライド


本来の年金は物価や賃金の上昇率に合わせて変化するものでした。しかし、2004年に導入されたマクロ経済スライドというもので、物価や賃金の上昇率に対して、年金額の増額が抑えられるようになりました。今後、日本において物価や賃金が上昇していった場合、年金額は実質的に目減りしていくことになっているのです。

一方で物価や賃金が下がった場合、年金額はどうなるのでしょうか?実はこの場合には年金額の実額は減らされないことになっています。そのため、景気が悪い時期が長く続くと、年金額は実質的には増額するという事態もあります。その場合、現在年金を貰っている世代は多く年金が貰えることになり、年金の財源が不足することで年金制度自体が行き詰まる可能性も秘めているのです。

自助努力による準備を


こうしたことを踏まえると、景気の状況次第により年金の将来は大きく変わることになります。景気の良い時期が長く続くと、マクロ経済スライドで実質的に年金額は減りますがある程度の年金額は保たれることになります。そして景気の悪い時期が続くとマクロ経済スライドは効果を発揮せず年金制度の破綻が近づき年金額は大幅に減額される可能性が高まります。

どちらにせよ厳しい状態にある年金制度。景気があまり良くない場合の実質の年金額は2050年頃に今の3~4割減になるという試算もあります。年金制度がどうなるにせよ今の若い世代は自助努力で将来のために備えておくことが重要と言えるのではないでしょうか。

カテゴリーから記事を探す