マクロ経済スライドとは
2019.11.23

株式会社AWARDです。

本日は年金についてのお話です。マクロ経済スライド、という言葉をニュースなどで聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。年金に関するこちらの制度について本日はご紹介したいと思います。

名目と実質


名目GDPと実質GDPというのはしばしば耳にする言葉かと思います。実質GDPとは名目GDPから物価の変動による影響を差し引いたものです。お金の価値はインフレ率によって変動します。そのため、その変動の部分を考慮しないと実態を反映しないということで、こうした『名目』『実質』という枕詞がついたGDPが使われているわけです。

マクロ経済スライドについてもこうした言葉の意味を知っていると理解しやすくなります。この制度は年金額の『名目』の額を減らさずに、『実質』の額を抑制する目的で作られているのです。

2019年度は2回目の抑制が


公的年金の年金額は、物価と賃金の変化にあわせて毎年度、改定率を算出して政府が閣議決定しています。マクロ経済スライドとは、この改定率を物価の上昇率よりも小さく抑えることを指します。

過去には物価と賃金が1%伸びれば、年金も同じく1%増やすというルールで年金額は調整されていました。しかし、2004年にマクロ経済スライドが導入され、物価が上昇したとしても年金額の伸びは抑制されることになっています。

実際2019年度の年金額は、物価や賃金の上昇率が+0.6%だったにも関わらず、+0.1%しか上がりませんでした。この上昇が抑制された+0.5%分が、マクロ経済スライドによって『実質』の年金額が減った部分ということになりますね。

デフレ時の対応は?


ちなみにデフレの際には物価が下がるので、その際には寧ろ名目の年金額は減らされるべきだという考え方もありますが、今現在はデフレの際でも名目の年金額は減らないことになっています。名目の年金額が減ると高齢者への反発があるだろうということで、政府が検討したくないようです。

しかし、インフレ時に『実質』の年金額が減るのは多くの高齢者が気付かないだろう、と思っているのであれば政府にバカにされているような話でもありますね。こうしたマクロ経済スライドによる年金支給額の抑制は将来の若い世代の負担を減らすためではありますが、なかなか抜本的な解決には至っていないのが現状です。今後は『名目』の年金額にもメスを入れていかないといけないときが来るのではと思います。

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