年金は払うべき?

年金

株式会社AWARDです。

老後に2000万円たりない問題で、政治の世界が揺れています。平均的な無職の夫婦の場合で、1300~2000万円程度の資金を用意しておかないと年金だけでは老後の生活がまかなえない、というのが元々のレポートの内容ですが、実際のところ年金はあてになるのでしょうか。本日は年金の納付率などもみながら、年金についての考え方をご紹介していきます。

国民年金の納付率は?


厚労省の発表によると、平成29年度(2017年度)の国民年金の年金保険料の納付率は「66.3%」だったとのことです。この数字を高いと見るか低いと見るかですが、納付率は1991年の「85.7%」をピークに、2011年には一度「58.6%」まで下がっており、その後の徴取の強化などから若干上がってきた状況となっています。ただし、保険料の全額免除者・納付猶予者を含めた実質的な納付率は40.3%にとどまっており、国民年金の納付率は半分にも届いていないと捉えることもできるでしょう。

そんなに納付率が低いのならば、自分も納めるのをやめたい、と思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、気を付けたいのは、ここで見ている数字は、自営業や学生などの「国民年金第1号被保険者」の納付率であって、給与から天引きされている「第2号」や「第3号」については、納付率はほぼ100%であるということです。年金保険料が未納の人を人数で言うと「157万人」であり、6千万人を超える年金制度全体の加入者数から見ると、未納の人は2.3%にすぎないのです。

年金を払わないと損をする?


いくらもらえるかわからない年金に対して、高い保険料を払い続けるのは勿体ないと感じる方もいらっしゃるでしょう。しかし、年金を払わずにいると将来的に年金はもらえなくなります。保険料を自分で貯めておけば良い、と考える方もいらっしゃると思いますが、実は支払われる年金のうち、半分は国が負担しています。どういうことかというと、わたしたちが年金保険料として支払っている以外の消費税を含む各種の税金が年金の支払に充てられているということです。

つまり、年金を払わないことで、自分が払っている税金が自分のために使われる機会を失ってしまうことにもなりかねない、ということですね。実は年金を払わないというのは、目先だけを考えるとお金が浮いて嬉しいですが、将来的には損をしている可能性が高いと言えます。

年金に頼らない自助努力も


とはいえ、今後急激に変化していく日本社会の中で、年金制度の維持が難しくなり支給開始年齢が遅くなったり、支給額が減ったりするのは確実です。年金に頼らなくても生活ができるように、早い段階から準備を進めておくことが大切です。

話題になっている老後に2000万円たりない問題は、あくまでも今の65歳以上の夫と60歳以上の妻の無職のご夫婦を想定して計算されています。今若い世代の方は、もっと多くの資金を自分で作っておく必要があるのは明らかです。早いうちに気づくと準備に十分な時間が取れるかと思いますので、貯蓄や投資について真剣に考えるきっかけと捉えてみると良いのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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