株式会社AWARDの渡邉です。今働いている方の多くは 公的年金 の保険料を支払っていうかと思います。しかし、年金が国の金融政策によって危機にさらされる可能性があるというのは考えたことがありますか?日本と同じような金融政策を行っている欧州では、中央銀行に対して政治家の批判が出てきているそうです。
昨日はECB(欧州中央銀行)の理事会があり、記録的な景気刺激策を維持することを決定しました。3月にECBは新たな景気刺激策を発表しており、主要政策金利を0.00%にし、中銀預金金利はマイナス0.4%、債券等の資産購入も月額800億ユーロ(約9兆9300億円)にするという大規模な金融緩和を行っております。日本銀行が実施している金融緩和に良く似ていますね。日本銀行は中銀預金金利をマイナス0.1%にし、資産購入を年間80兆の国債買い入れを行っています。
さてECB理事会後のドラギ総裁の会見ではECBに対する批判に言及する場面がありました。現在ECBが最重要課題としているのはユーロ圏の2%のインフレ目標の達成と経済成長の持続になります。その中でマイナス金利政策も行われている訳ですが、ドイツの政治家の間でECBの政策が預金者や年金基金を苦しめているといるという批判があります。マイナス金利になることで、預金金利は低くなり年金の運用も難しくなっていきます。これは前回書いた保険会社による運用が難しくなるのと同様ですね。
ECBは日本よりも先にマイナス金利政策を導入してきた訳ですが、このような批判が出てきているというのは知っておきましょう。「われわれはドイツのみでなく欧州全体の物価を安定させ維持する責務がある。われわれは政治家ではなく法に従う。中央銀行は独立しているからだ」と言う趣旨の発言がECBのドラギ総裁の会見でも出てきました。中央銀行は個人個人のプラスではなく全体の最適化のために政策を打ち出しています。国や中央銀行は私たち個々人を守るための政策をしている訳ではない、ということですね。将来の自分自身の生活を守るために、ひとりひとりがお金のことを真剣に考えていかなければならない時代なのではないでしょうか。