年収の壁 とは??【社会保険】
2016.1.25

株式会社AWARDの渡邉です。
前回のコラムでは公的年金の仕組みについて紹介させて頂きました。今回は、良く話題になる『 年収の壁 』をテーマにご紹介させて頂きます。特に女性の方にとっては結婚子育てをきっかけに配偶者の方の扶養に入るケースが多いので気になるテーマなのではないでしょうか?男性の方も税金や社会保険の仕組みとして知っておくと役立つ知識かと思います。

まず、1つ目の年収の壁は103万円という金額になります。こちらは所得税が発生してくる年収となります。これは所得控除という言葉の意味が分かると理解しやすくなります。控除とはある金額から一定の金額を差し引くという意味なのですが、私たちの収入に対して税金の対象になる金額を計算する際に引くことができるのが所得控除となります。会社から毎月給与をもらっている場合やアルバイトの場合には、収入金額に対して65万円の給与所得控除を受けることができます。さらに基礎控除というすべての方が持っている控除枠が38万円あり、2つの控除枠を足すと103万円になります。つまり、年間の給与収入が103万円の場合に税金がかかってくる所得金額を計算すると、 103万円-65万円-38万円=0 となるため所得税が0になるということです。つまり働いて収入を得ても所得税を払わなくても良い壁が103万円ということになります。

さらに収入が103万円であれば配偶者の方が38万円の配偶者控除を受けることができます。例えば配偶者の方の税率が20%であった場合には配偶者の方が支払う所得税を、
38万円×20%=7万6千円 少なくできることになります。なお収入が103~141万円の場合には、収入額に応じて38万円以下の配偶者特別控除を配偶者の方が受けられます。

 

2つ目の壁は130万円という金額です。これは厚生年金や健康保険の加入要件となる金額です。収入が130万円以下の場合は保険料の負担なしで年金も健康保険も被保険者になることができます。こちらは配偶者の方が加入する社会保険制度によって負担されることになっています。つまり逆に考えると130万円を超えたときから厚生年金や健康保険の保険料を自分自身で払わなければいけなくなるということです。仮に年収が130万円の場合の社会保険料の年間額は約15万円です。年収が130万円になった瞬間に手取り額が15万円減ってしまう訳ですので家計への影響は大きいと言えます。

さて、この130万円の壁ですが、一定の条件を満たした会社の場合には106万円へとなることが決まっています。2016年10月からの改正となりますが、厚生年金や健康保険の加入要件が年収130万円から106万円に引き下げられることになりました。下記条件を満たすと厚生年金と健康保険の加入対象になってきます。

①週20時間以上の労働
②年収106万円
③勤務期間1年以上
④従業員501人以上の会社

今回の見直し対象は従業員501人以上の大きい会社ですが、今後は対象が広がる可能性もあります。収入の壁を意識して労働時間を制限している方が多いという理由での改定のようですが、社会保険料負担をより年収の低い方にも求める方向での改定ですので厳しいですよね。日本の国の政策を見ていくと、収入を抑えるよりも自分自身でしっかりと収入を得て資産形成をしていかなければならないと強く感じます。

さて次回からは数回にわけて最近話題の『 確定拠出年金 』をテーマにコラムを書いていきます。確定拠出年金に関しては相談に来られる方がとても多い分野ですのでわかりやすくまとめていきます。

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