認知症と金融資産
2018.8.27

株式会社AWARDです。

少子高齢化と言えば、多くの方が考える日本の問題点かと思います。しかし、少子高齢化と一口に言ってもその中に含まれる問題には様々なものが存在しています。そのうちの一つとして、認知症と金融資産のことを本日はご紹介していきたいと思います。

高齢者に偏る金融資産


現在日本の金融資産のうち60歳以上の方が保有する割合はどのくらいを占めると思いますか?この割合は実に65%と3分の2ほどにも及ぶそうです。当然長く働いてきて大きな退職金をもらっている方も60歳以上に含まれますし、着実に預貯金や株式投資などで資産を築いてきた方も含まれることでしょう。とにかく、日本の金融資産は上の世代の方に大きく偏って保有されているのです。

高齢者が資産を持って自身の生活を守るのは当たり前の話ではありますが、国全体の経済という観点から考えるとこの傾向は決して良いことではありません。なぜならば高齢になればなるほど消費活動は低下するため、世の中にお金が循環する量が減っていってしまうからです。そしてお金の循環が滞ることは、そのまま経済の停滞を意味するところでもあります。

認知症の方の金融資産


そして、今後大きな問題になってきそうなのが、認知症の方が持っている金融資産です。2015年時点で65歳以上の認知症患者数は推計で約520万人となっています。高齢化が進む30年には最大830万人に増え、総人口の7%を占めると予測されています。この方々が持っている金融資産が完全に凍結されていく可能性があるのです。金融機関では、本人の意思確認ができなければ、預金の引き出しや、株式の売買などに応じることができません。そのため、認知症の方の金融資産は、相続が発生するまで凍結状態になり得るのです。

第一生命経済研究所の試算によると、認知症の方の金融資産の保有額は2017年度時点で約143兆円。そして2030年度には215兆円まで膨らむとされています。実に日本のGDPの4割近いお金を認知症の方が保有することになり、日本経済の足枷にもなるでしょうし、家族の方にとっても大きなお金が凍結されることは問題になり得ると言えます。

成年後見・家族信託・生前贈与


これらの問題を解決するためには、認知症になる前、もしくはなったとしても軽い状態のうちに対策をとっておくことが重要です。

・事前に後見人を定め、本人の預貯金からお金を動かせるようにしておく

・本人と家族で資産活用についてあらかじめ定めを結ぶ家族信託という仕組みを利用する

・生前贈与で下の世代に資産を移転しておく

などが対策としては有効かと思います。

家族が認知症になることを前提として対策をするのは困難かもしれませんが、活用できる制度はだんだんと増えてきています。このような問題が日本全体の課題になりつつあることを知り、ぜひ自分事として対策を考えていっていただければと思います。

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