株式会社AWARDの渡邉です。国の経済状況を表す大切な指標のひとつにGDP(国内総生産)があります。GDPは一定期間内に国内で産み出された付加価値の総額のこととして定義されています。
多くの場合、世界の国との経済規模の比較などでこのGDPの値が使われます。例えば現在のGDPの順位を国ごとに見てみると、
1位米国
2位中国
3位日本
といったように経済規模の順位付けをすることができます。ただし、このGDPは国際連合の定める計算方式はあるものの、その中身は国ごとに公表されているわけではありません。政府がGDPの値を正確に算出する力がなければ、公表される数値もあいまいになってしまうため、発展途上国の公表する数値などは必ずしも正しいとは言えないこともあるでしょう。
実際にあった例で、日本でも内閣府と別の機関が算出したGDPの値で乖離が出たことがありました。別の機関というのはここでは日銀のことを指しています。
2014年は日本では消費税の増税が実施され、消費活動が落ち込んだ年になりました。この年のGDPは内閣府の公表値では-0.9%となっており、マイナス成長であるとされています。これに対して日銀は昨年の7月に税務データから推計したGDPの論文を公表しており、14年度のGDPを+2.4%であったと試算しています。
内閣府と日銀という日本でも有数の機関が出したGDPの値が3%以上も乖離しているというのは興味深いところです。日本でもこれなのですから、世界の他の国々の公表している値も参考程度に捉えるのが良いかもしれませんね。
ちなみに内閣府は研究開発費の計上などを盛り込んだGDPの基準改定も最近実施しています。GDPの基準を変えることで、数値はある程度都合が良いように変えれるのでは?という見方もできますよね。無機質な統計データに見えますが、その数値には国としての意図が隠されていると思うと面白いのではないでしょうか。