株式会社AWARDの渡邉です。
人的資本
という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは私たち一人一人が持つ経験、知識、能力などを資本として見た概念となります。
今回のコラムでは人的資本と金融資本の関係や、幸福に必要なもう一つの資本についてご紹介させていただければと思います。
1.人的資本とは?
人的資本とは、個人が持つ知識や能力の総体です。これは単なる学歴に留まらず、教育、スキル、経験で増大させていくことが可能です。
分かりやすい例で言えば、英語のスキルがある方は、ない方よりも平均年収が高い、というデータがあります。一般的には、英語のスキルを身につけることで、人的資本を増大させることができるわけですね。
人的資本を増やすためには、リスキリング(新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと)も価値があるでしょう。教育を受けたり、新しいスキルを習得したりすることで、人的資本は高まります。生涯学習が益々重要性を高めている時代になってきています。
2.人的資本と金融資本の関係
人的資本と金融資本の関係は密接で、個人の人的資本が高まることで、収入が増加し、更なる貯蓄や投資の機会が生まれることが一般的です。金融資本が増えれば、さらに人的資本を高めるための自己投資が可能になります。
人的資本を増加させることで金融資本も大きくなる、といった現象は循環的に起こっていき、個人や家庭の経済を安定させていくことに繋がります。
一方で、個々人が持つ人的資本は年を重ねるにつれ減少していく、ということも意識しておくと良いでしょう。残りの人生で稼ぐことできるお金は、若い時の方が年をとった時よりも多いですよね。
そのため、人的資本を増やすための自己投資は、より若いうちに取り組んだ方が効果的と言えます。そういう意味では、私たちが残りの人生で最も若いのは今この瞬間ですから、常に学んでいくという姿勢が人的資本を活かすためには良いと考えられます。
3.幸福に影響する3番目の資本『社会資本』
また、人的資本と金融資本と並ぶ、第三の重要な資本が社会資本です。幸福の「資本」論(著:橘 玲)という本では、人的資本、金融資本、社会資本の組み合わせ人の幸福は説明できるとしています。
社会資本は、人との信頼や協力、ネットワークを指しており、健全な共同体の形成や個人の幸福に寄与します。友人、家族、同僚との良好な関係は、幸せの重要な要素ですよね。また、社会資本があると、何かあった際の支援や情報共有も容易にするため、危機への対処能力も高まります。
これらをいかに組み合わせていくか、という考えを持つと理想に沿った人生のデザインをしやすいのではないでしょうか。
4.まとめ
人的資本は、教育、リスキリング、生涯学習などで向上させることができる人の能力や知識や経験に基づく資産です。この人的資本と金融資本、そして社会資本のバランスが、より豊かで幸福な人生を築く上では大切なのです。
人的資本を高める自己投資、金融資本を増やすための金融投資、社会資本を充実させるためのコミュニティへの参加などが、多くの方にとって人生の幸福度を増すためには効果的と言えます。
ぜひ人的資本を増やす取り組みとともに、金融資本や社会資本とのバランスも考えてみてはいかがでしょうか。