株式会社AWARDの渡邉です。
為替であなたの「生活」はどう変わる?
「1ドル=143円」。この数字を目にすると、多くの人が「円安だね」と感じるでしょう。でも、この為替の数字が私たちの生活や価値観にどれほど影響しているのか、改めて考えたことはありますか?歴史的な背景を踏まえつつ、ドル円の為替が日常にどのような影響をもたらすのか、詳しく探っていきましょう。
1.30万円の価値はどう変化する?
2011年、震災やリーマンショックの影響を受け、1ドル=75円という円高が記録されました。この時の30万円は、アメリカの商品やサービスに換算すると4,000ドルの価値がありました。これは、例えば海外へのちょっとした旅行や、ブランドのバッグ数点を手に入れることができる額でした。
一方、2022年に1ドル=150円まで円安が進んだ際には、同じ30万円でも2,000ドルへと価値が半減してしまっていました。円高のときと比べると、購買力が大きく落ちてしまっていることを意味します。同じ海外への旅行を試みても、かなり選択肢が限られた状態になるわけです。
2.円高、円安のときの旅行
円高のとき、日本人にとって海外旅行は大変魅力的でした。2011年のような1ドル=75円の時代では、1ドル=150円のときと比べると2倍のショッピングやグルメを楽しむことができます。
ヨーロッパの都市を巡る豪華な旅や、アメリカへの旅行など、海外での素晴らしい体験がお手頃な価格で体験ができたわけです。一方で、円高の際には日本への観光客は減少するので、日本国内の観光産業や関連するビジネスにとっては、少し厳しい時代となりました。
一方、円安の時代になると、この流れは逆転します。海外からの観光客が増え、日本の観光地やホテル、飲食店は大いに賑わいます。一方で、日本人の海外旅行は控えられる傾向に。特に、家族での海外への長期休暇や高級リゾートへの旅行に関しては、計画を見直す必要がでてくることもあるでしょう。
株式会社JTBが2023年7月6日に出したプレスリリースでは、2019年比で2023年の夏休みの旅行者数が国内旅行では100%以上に回復する見込みなのに対して、海外旅行は40%程度しか回復しない見込みになっています。
コロナで旅行の制限がある期間も長かったですが、海外に旅行に行く人の数は、コロナ前と比べてかなり少なくなっているようです。これは円安の影響も大きいでしょう。
3.円安が進む今、やるべきことは
こうした円安の中では、日本の物価や国内旅行は海外と比べて相対的にお得感が増します。例えば、北海道の大自然を体験したり、沖縄のビーチリゾートでのんびりと過ごすことは、海外旅行に比べて費用が抑えられます。日本独特の文化や伝統を楽しむことも割安にできるということです。
ただし、安い日本に甘んじているだけでは、将来ジリ貧になる可能性が高いので、外貨の資産を増やすことも考えるべきです。外国の株や債券、外貨預金など、多様な方法で将来のリスクに備えましょう。
円安が進む中、海外の資産を増やして、購買力の保護を図ることは、将来に向けた賢い選択と言えるでしょう。
4.まとめ
為替の動きは、日常生活や旅行、投資などさまざまな面で影響を及ぼします。歴史を振り返りながら、その影響を正確に把握することは、より豊かで安定した生活を送るための一つのカギとなります。
将来に備えつつ、円高も円安も、それぞれの時代を楽しみながら、賢く生きていけると良いですね。