株式会社AWARDの渡邉です。
日本の2022年11月の消費者物価指数が発表され、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が去年の同じ月より3.7%上昇しました。
こちらは1981年12月以来、40年11か月ぶりの水準とのことです。
1.物価が上がっている品目
2.40年前の物価上昇はなにがきっかけ?
3.世界の他の国と比較すると
といった流れでご紹介させていただきます。
1.物価が上がっている品目
具体的には下記のような品目で物価が上昇しています。
・食用油:35%
・ポテトチップス:18%
・外食のハンバーガー:17.9%
・食パン:14.5%
・からあげ:11.6%
・国産の豚肉:8.5%
・牛乳:9.5%
・ガス代:21%
・電気代:20.1%
・家具・家事用品:7.3%
・シャツ・セーター・下着類:3.1%
となっています。食糧品、エネルギー、家具などの身の回りのものと、満遍なく物価が上がってきており、生活への影響は大きいでしょう。
一方で、1年8ヵ月の間、価格の上昇を続けてきたガソリンは、
・ガソリン:-1%
と前年同月比では価格が下落しています。
2.40年前の物価上昇はなにがきっかけ?
こうした物価上昇の背景には、ロシアのウクライナへの侵攻、ドル高円安、産油国の意向、世界の景気の回復など様々な要素がありますが、特に物価の上昇率が高いガス・電気に関しては、世界的なエネルギー不足が主な要因になっています。
今回の消費者物価指数の上昇率は40年11ヵ月ぶりですが、前回の物価上昇の際もエネルギーは密接に関わっていました。1973年の第四次中東戦争から始まる第1次オイルショック、1979年にイラン革命を機に始まる第2次オイルショックによる物価上昇の余波が残っていたとき以来の物価上昇、ということになります。
戦争やエネルギー不足がきっかけに起こっている物価上昇、という点において、今わたしたちの身の回りに起こってきている物価上昇とも共通する点がありますね。
3.世界の他の国と比較すると
とは言っても日本の物価上昇率の前年同月比+3.7%というのは、諸外国に比べたらかなり低い方にはなっています。
11月の米国の物価上昇率は前年同月比7.1%上昇、英国前年同月比10.7%の上昇となっています。米国では前年同月比の物価上昇率が少しずつ落ち着いてきたところですが、日本の場合は値上げが実際に行われて指数に反映されるまではもう少し時間がかかるかもしれませんね。
日本では企業努力などにより物価上昇率が抑えられてきた分、来年の方がさらに物価上昇を実感する年になるかもしれません。実際に総務省は来年2月に食料品などの値上げが相次ぐことを予測しています。
1981年頃との違いは、インフレ率を賃金の上昇率が上回っていない点です。賃金が上がらずに物価が上がっていくのは家計への影響が大きいと思いますので、物価の動向には注意していきたいところです。