倒産してない旅行会社
2020.12.25

株式会社AWARDの渡邉です。

観光業、旅行業と言えば、新型コロナウイルスの影響を特にを受けている業種となります。GO TOキャンペーンなども行われていましたが、観光に出向く人の数は1年を通して考えると激減しています。

そんな中で、非常に興味深いデータがあります。国内の旅行会社の倒産件数は、2000年以降で4番目に少ないと言うのです。

倒産してない旅行業


帝国データバンクが12月11日に発表したデータによると、旅行業の2020年1~11月の倒産件数は24件だったとのことです。こちらを月換算すると2.18件で、なんと2000年以降で4番目に少ない数字になります。

またまた別の帝国データバンクによる調査では、ホテルや旅館の倒産件数も出ていますが、11月までで111件と、リーマン・ショックで景気が冷え込んだ2008年や、東日本大震災で旅行需要が低迷した2011年よりも低い水準で推移しています。

一方で国内旅行の宿泊者数を見ると、昨年の半分程度の水準にとどまります。観光客が激減しているにも関わらず、旅行業やホテル・旅館業が持ちこたえているのはなぜなのでしょうか。

豊富に打たれた対策


倒産件数が意外と少ない理由は、政府が打った数々の対策にあります。

・実質無利子、無担保融資

・持続化給付金

・雇用調整助成金

・Go Toトラベル事業

などです。上の2つは直接的にキャッシュが手元に届きますし、3つ目は雇用の維持を可能にします。GO TOトラベルは一時的に多くの観光客が旅行に出かけることの後押しになりました。これらの政策が機能したことで、結果としてまだ旅行業やホテル・旅館業は倒産にまで至っていない、ということになるでしょう。

しかし、観光客が激減している現状を考えると、対策の息が切れれば恐ろしいほどの数の倒産が起こるのは間違いないでしょう。新型コロナウイルスによる経済への影響が顕在化するのは、もしかするとこれからなのかもしれません。

今後はどうなるか?


今後もずっと支援策を打ち続けていくことは不可能ですから、どこかで旅行業、ホテル旅館業の多数が倒産する事態というのはあり得るかと思います。業界としては元々体質的に継続が難しい経営状態だったところも多いそうで、新陳代謝が必要だという意見もあるとのことです。

ただし、こうした業界は地方の雇用の受け皿になっている面もありますので、国としても難しい舵取りが迫られていると言えるかと思います。今後はコロナをきっかけとして調達できた資金を用いて、事業を生まれ変わらせることができた事業者が生き残っていく展開になるかもしれませんね。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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