株式会社AWARDです。
厚生労働省が24日に発表した2019年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数は86万4千人となりました。また自然減も51万2千人と初めて50万人以上になりました。前々から分かっていたことではありますが、日本の人口は今後急激に減っていくことになりそうです。
早まる出生数の減少
2017年4月の国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計では、出生数が90万人を割り込むのは20年、86万人台となるのは21年と予測されていたそうですが、2019年に実現したということで減少ペースは2年早まっています。たった2年前に出されている国の機関の推計でこれだけのズレが生じるということは、政府が思っている以上に子育てを考えにくい環境に今の日本はなっていると言えそうです。
少子高齢化が進む日本では、ここから劇的な変化を望むことはむずかしそうです。国の推計がさほどあてにはならないのは上記に書いた通りですが、このままいくと日本の人口は2050~2060年頃には1億人を割ってくると言われています。
国の政策
なぜ、ここまで少子化が進むまで国は対策を取ることができなかったのでしょうか。まずは、こうした問題に本気で取り組む政党、政治家が台頭できなかったというのは大きいでしょう。対策を取れる適切な時期に適切な政策を打ち出すことができませんでした。
現在の社会保障は多くの場合は高齢者のためのものになっています。国として子育ての環境を整えるために注いでいる力が弱いのです。すでに少子高齢化が進んでいる日本では、政治家も投票をする側も高齢化が進んでおり、どうしてもそこに注視した政治になってしまうという状況もあります。
その上で、若者の賃金は過去数十年に渡って減り続けており、その上で社会保険料や税金といった負担は上がり続けています。未来に希望を持てる環境がなければ子どもを持つことや子育てに積極的になるのは困難ですよね。
今後の可能性
もし国が本気で少子化対策を講じるのではあれば、
・給料を上げる
・社会保険料を下げる
・税金を下げる
といったお金の面で若者が住みやすい国へと作り変えていく必要があります。しかし、今のところ国の政策はそういった方向には向かっていません。国がやっているのは、
・給料を払えと企業に言う
・社会保険料を上げる
・税金を上げる
という感じですね。企業に賃上げを要請しているのはまだ良いですが、他に関しては本来やるべき方向と逆行しています。過去に作りあげてしまった維持不可能な社会保険制度を、なんとか維持できるようやりくりするのに一生懸命になっています。
国全体のことは、個々人の力で解決できることは少ないですが、問題意識は皆さんが持っていると良いのではと思います。それとともに、自分や自分の周りの方は守れるように、自助努力は進めておくようにしましょう。