高校授業料無償化の条件
2019.11.22

株式会社AWARDです。

日本では累進課税という所得が上がれば上がるほど、税金の負担率は重くなるような税制となっています。富の分配という意味ではとても有効な累進課税制度ですが、たくさんお金を稼いでいる人ほど多くの税金を納めており不満に思っている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、高所得者の場合は税金以外でも色々な制度面で不利になるケースがあります。

高校授業料無償化と世帯年収


例えば、高校授業料の無償化です。こちらは保護者等の住民税の合算額が50万7,000円未満である生徒が対象となります。公立高校は無償となり、私立高校の場合は月額9,900円が支給される制度ですが、私立高校も2020年以降は一部で無償化が検討されています 。

ただし、こちらの高校授業料無償化の恩恵を受けるためには、世帯年収の条件を満たしていなければなりません。両親のどちらかが働いていて、16歳以上の高校生1人と中学生1人の子どもがいる家庭の場合、世帯年収が約910万円未満だった場合には高校の授業料が無償となります。そして、世帯年収がこの水準以上に達していれば、対象外となるのです。

ボーダーラインの方は?


国税庁の出している民間給与実態統計調査よりAGSコンサルティングが試算した結果によると、年収900万円超~1,000万円以下の1人当たりの所得税負担額は2016年度で59.7万円、年収1,000万円超~1,500万円以下では107.0万円となっています。こうして見ると、年収900万円超~1,000万円以下の方と年収1,000万円超~1,500万円以下の方の間には所得税の負担に1.8倍ほどの差があることになります。

累進課税によってこうした所得税の差が生まれるわけですが、年収で910万円を超えているかたは高校無償化の恩恵を受けられない世帯となります。東京都生活文化局の調査によると、私立高校の年間授業料は45万5,345円です。モデルケースの世帯で年収910万円超~1,000万円以下の方は、所得税と高校授業料を合わせると年収1,000万円超~1,500万円以下の方の所得税額と同じくらいの金額を負担額になることになります。

収入を上げる


こうした制度はなかなか変わっていくことはありませんし、会社にお勤めの方は自身の給料をコントロールするのもむずかしいでしょう。ですから、いっそ負担増になるボーダーライン上の方は、負担増が気にならないくらい本業で稼ぐことを目指したり、転職で年収を上げたり、副業によって収入を上げることを考えてみると良いのではと思います。

国の制度は誰にでも完全に公平な設計にはなっていません。そこを意識して自分の置かれた環境を良い状態に持っていきましょう。

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