機会費用とは?

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株式会社AWARDです。

『あのときこうしていれば、もっとこうだったな』といったように過去を振り返ることは、誰しもあるのではないでしょうか。過ぎ去った時間を再度やり直すことはできませんが、そうした機会のコストを計算する考え方が経済学の中にはあります。本日は機会費用という言葉について取りあげていきたいと思います。

機会費用とは


機会費用とは、時間の使い方の有益性にまつわる経済学上の考え方であり、複数ある選択肢の内、同じ期間中に最大の利益を生む選択肢とそれ以外の選択肢との利益の差のことを指します。

例として、アルバイトで働いている人が1日仕事を休んで映画を見にいった、という行為について考えてみましょう。アルバイトで1日働いてもらえるお金は10,000円、映画館で支払うお金が2,000円だとします。この場合、この方が実際に使うお金は2,000円です。しかし、アルバイトを1日休んだことで本来もらうことができたはずの10,000円をもらうことができなくなりました。そのため、機会費用は、

2,000円+10,000円=12,000円

となり、この映画を見ることで12,000円以上の価値を感じられていないのであれば、経済学上その映画は見るべきではない、ということになるわけです。

時間の価値の最大化


こうして見ると機会費用の考え方というのは窮屈に感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、機会費用は人生において有限の資源である時間をいかに効率よく使っていくかという考え方です。

家族と過ごす時間、友人と過ごす時間、人生において大切にしたい趣味などお金に換算することが難しいものも、あえてお金というモノサシを当てはめることで、時間を有効に使っていきましょう、という意味があると思えば良いかと思います。

なお、機会費用の考え方が良く使われるところとしては、

・資産運用

・移動時間

・設備投資

などがあります。すべてを合理的に考えることが良いかは分かりませんが、時間を有効に使うという意味では知っておきたい考え方です。

機会費用の注意点


さて、この機会費用の考え方には注意点もあります。それは実際に行っていない行為の中で最大の利益を生むものと、ある行為との差を考えるため、正しい価格設定ができているかによって数字が大きく変わってくるということです。先ほどのアルバイトの事例ですと、アルバイトで10,000円もらえると仮定していましたが、実際にはその日は仕事が少なく5,000円しかもらう機会がない場合もあるでしょうし、逆に20,000円もらえる仕事があったかもしれません。そのあたりの価格設定で機会費用は大きく変わるということですね。

普段から機会費用を意識してみると、時間の濃さが変わってくるのではないでしょうか。ぜひ重要な決定をしなければいけない場面などで思い出していただければと思います。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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