株式会社AWARDです。
昨日は幼児教育の無償化についての話題でしたが、高等教育についても議論が進んでいます。平成30年12月28日には、「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた関係閣僚会合」において、「高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」が了承されました。本日は高等教育無償化の制度についてご紹介します。
高等教育無償化の趣旨とは
子を持つ親としては子供が大学にいきたいのならばいかせてあげたいと思うでしょう。しかし現状では世帯年収が少なく、大学を諦めざるを得ない学生も多いようです。
平成30年3月に日本学生支援機構が出した発表によると、2.7人に1人が奨学金を利用しています。それだけ奨学金の利用率があることを考えると、今回の高等教育無償化も家庭の教育費の負担を減らすために必要な措置であると考えられるでしょう。
高等教育無償化の支援対象となる学校種としては、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校が挙げられています。文部科学省からの発表によると、2020年4月より実施予定となります。支援内容としては、
①授業料等減免制度の創設
②給付型奨学金の支給の拡充
となっています。対象となる学生は年収380万円までの世帯で3段階の支援があり、2020年度の在学生(すでに入学している学生も含む)となります。授業料等減免制度では、
①住民税非課税世帯(年収270万円未満)に対し授業料免除
(私立大学の場合はの私立学校の平均授業料を踏まえた額と国立大学の標準額との差額 の2分の1を加算した額までを減免)
②年収300万未満の世帯に対し、①の3分の2を支給
③年収300~380万未満の世帯に対し①の3分の1を支給
金額に換算すると住民税非課税世帯は国立であれば、年間約54万円が全額免除。私立であれば、年間約70万円を上限に国が支援することとなります。入学金に関しても同様に支援を受けることができるので、大学に行きたくても金銭的な課題があるご家庭にとっては助けになる制度なのではないでしょうか。
給付型奨学金の拡充
さらに授業料等の減免だけでなく、給付型の奨学金の支給に関しても拡充されていく方向に進んでいます。学生が学業に専念するため、学生生活を送るのに必要な学生生活費を賄う為というのが理由となります。
日本学生支援機構が各学生に支給するもので、具体的には教科書代や生活費となり、住民税非課税世帯には自宅生平均45万円、自宅外生平均88万円が支給されることとなります。2017年度から施行された現行では住民税非課税世帯のみしか給付資格がなく、月2~4万円の定額給付でしたので、大幅な拡充となる見込みです。
成績優秀者だけが支給されるのか
今回の支援措置の目的は、支援を受けた学生が大学等でしっかり学んだ上で、社会で自立して活躍できるようになることです。進学前の明確な進路意識と強い学びの意欲や進学後の十分な学習状況をしっかりと見極めた上で学生に対して支援を行うので、必ずしも高校在学時の成績だけで否定的な判断をされないようです。そうはいっても財源の確保などの問題も多く、どこまでの範囲の学生に対して支援が行われるかは明確化されておりません。
教育は国力を保つ為の最大の投資です。少子化がこれ以上進まないためにも、より良い制度になっていってほしいと思います。