人的資本の価値

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株式会社AWARDです。

人の価値、というと計り難いもののように思えますが、人が働いて収入を得ることは金融資産や不動産に似ている部分があります。本日は人的資本の価値について考えてみましょう。

収入を金利として考えると


多くの人は毎年働くことで収入を得ているかと思います。これを年収と言いますよね。これに対して、金融資産や不動産は保有していることでお金を生み出してくれるものになります。例えば1億円で利回り5%の不動産を購入したとするならば、毎年500万円の家賃収入が得られます。また、配当が毎年3%出る株式を1億円分買うと毎年300万円の配当収入が得られますよね。

仮に金融資産から安定的に得られる収入が5%だとしましょう。すると、毎年1000万円の年収を得ている人の価値を、金融資産の利回りから逆算してみると、

1000万円÷5%=2億円

となり、その人の人的資本の価値は2億円である、ということができます。

若い人ほど価値が高い


人的資本を考える場合、その人が今からどのくらいのお金を稼いでいくのか、というのが評価の基準になります。若い人の方が今後働いてお金を得る期間が長いと考えられますので、人的資本の価値は高くなります。また収入が高い人の方が、その人の能力から生み出される毎年の金額が大きいため人的資本の価値は高いことになるでしょう。

ここで大切なのは年を重ねると人的資本が減っていくが、それに対して手元のお金は増えていくということです。これから稼ぐお金の額が減っていったとしても、手元にあるお金の額は順調に増えていく。これが上手くできていると、人的資本をお金という価値に変換して保存することに成功している状態ということになります。よく高齢者の方がお金を持っている、という話がありますが、上記のことを考えるとある意味当然の結果とも言えるわけです。

自身の価値を高めること


これらの考え方から言えるのは、まず自分の価値を高めていくことが重要であるということです。健康で長く働くことができれば自分の価値は高まりますし、能力を高めて収入をあげることでも価値は高めることができます。そして、次に重要なのが、自身の人的資本の価値を変換した手元のお金を大切にしていくということです。今手元にあるお金というのは自分の人的資本を変換することによって生まれたものです。その大切なお金をいかに守り殖やしていくか、というのも考える必要があるでしょう。

人の価値を金銭的なモノサシで測るのは良くないことのように思われる方もいるかもしれませんが、実際に資本主義経済の中で起きていることでもあります。それを良くないと捉えるだけではなく、自身の価値を高めるためにはどうすれば良いかについて考えて実行していくことが大切なのではないでしょうか。


執筆者:渡邉亮

こちらのコラムは日々金融情報に触れて頂きたいという想いから継続して配信しています。あなたにとって大切な方にぜひご紹介ください。

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